タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密

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映画『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』は、スティーヴン・スピルバーグが監督を務め、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソンが製作に参加しています。
ベルギーの漫画家・エルジェによって描かれた『タンタンの冒険』シリーズのうち、「なぞのユニコーン号」、「レッド・ラッカムの宝」、「金のはさみのカニ」を原作としています。
先日、試写会で観ました。公開は12月1日です。
●導入部のあらすじと感想
世界各国を飛び回る記者タンタンは、ノミの市でガラスケースに陳列されていた帆船の模型に魅了されて購入する。その模型の船は17世紀に海賊に襲われて海上からこつ然と姿を消したユニコーン号だった。するとその直後から、次々とそれを購入したいという正体不明の男2人に迫られるが、タンタンは「売る気はない」と拒否する。1番目に購入したいと言って来た男は「早く手放さないと危険な目に遭う」と言い残し、2番目の男はユニコーン号の最後の船長であるフランシス・ド・アドック卿の城を買い取ったのだと言い、元々はその家の物だったと主張していた。
何かあるとにらんだタンタンは、早速図書館に調べに出かける。すると、その間に空き巣に入られる。実は模型のマストには暗号が書かれた羊皮紙の巻物が隠されていて、空き巣の狙いはそれだったのだ。ひょんなことから幸い巻物は無事でタンタンは羊皮紙を手にする。
秘密を探るタンタンだが、身の周りで危険な出来事が起こり始め、ついにはタンタン自身が何者かに拉致されて貨物船に閉じ込められてしまう。それはタンタンが羊皮紙のありかを知っていると思われているからだ。しかし、実はタンタンは羊皮紙をしまっておいた財布をスリにすられてしまっていた。自身の知恵と相棒の愛犬スノーウィの助けもあり船室を抜け出したタンタンは、乗組員に裏切られたというハドック船長と出会うのだった…。

さすがスピルバーグ監督自身が「これは80年代の『インディ・ジョーンズ』シリーズ、90年代の『ジュラシック・パーク』シリーズ以来の、私の新しい冒険の始まりだ」と言うだけあって、様々な魅力に満ち溢れた素敵な冒険活劇でした。
本作でスピルバーグ監督がジャクソンの協力のもと採用したフルデジタル3Dパフォーマンス・キャプチャーと呼ばれる手法は、本物の役者を使って、実写と全く同じ感覚でCGを撮影できるというものです。これにより、実写では映像化不可能であろう斬新な視点や驚くべきカメラワークを実現させ、実写でもアニメでもないひと味違う雰囲気の新しい映像が生み出されています。
もちろん素晴らしいのは映像だけではありません。タンタンや愛犬スノーウィをはじめ、いわば物語の鍵を握るハドック船長と謎の男サッカリン、そっくりな2人組の刑事デュポン&デュボンなどの登場人物も魅力的ですし、謎解きあり、アクションあり、笑いありのストーリーも面白いです。“勇気”や“希望”といった作品のメッセージも胸に響きました。
「もし守るべきものがあれば戦え。壁にぶつかったら、ぶっ壊して進め。失敗から学ぶべきことは数多くある。タンタン、何よりくじけないことだ」というハドック船長の言葉も印象的でした。タンタンとハドック船長の間に生まれる友情や、どんなことがあっても絶対に諦めないという2人の信念は、物語の核ともいえるでしょう。
原作者のエルジェは生前、『タンタンの冒険』シリーズのターゲットは「7歳から77歳のすべての若者」と語っていたそうです。本作はまさにそんな原作の精神を受け継いでいると思います。子どもはもちろんのこと、大人も童心にかえって楽しめる極上のエンタテインメントです。続編の制作も決定しているようで、気が早いですが今から楽しみです。

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