真田十勇士 (中村勘九郎さん)

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映画『真田十勇士』は、2014年に上演された同名舞台の映画化作品です。
『SPEC』シリーズなどの堤幸彦監督がメガホンを取っています。
中村勘九郎さんは、主人公・猿飛佐助 役で出演しています。
昨日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
関ヶ原の戦いから14年後。天下統一を目前にした徳川家康(松平健さん)と、復権を狙う豊臣家の対立が深まっていた。
そんな戦国の世で、真田幸村(加藤雅也さん)は「智謀知略天下に並ぶ者なし!」の名将として世間から尊敬を集めていたが、猿飛佐助(中村勘九郎さん)の前では何やら様子がおかしい。それもそのはず実は幸村はその男前な容貌と、偶発的な幸運の連続によって勝ちを拾ってきただけで、本当は気弱な腰抜け男だった。そのことを知った佐助は、幸村を担いで本物の天下一の英雄に仕立て上げることを思いつき、いわば押しかけ家臣となる。何かドデカいことを成し遂げて面白くこの世を生きてみたいと思って忍者の里を飛び出したからだ。
それから佐助は、同じ抜け忍の霧隠才蔵(松坂桃李さん)を筆頭に一癖も二癖もある男たちを集めて“真田九勇士”を結成する。
そんな中、亡き秀吉の妻・淀殿(大竹しのぶさん)から幸村のもとに出陣を促す書状が届く。幸村は渋るものの佐助に説き伏せられて、いよいよ大坂に向けて真田九勇士と共に出陣する。それから豊臣方軍会議において幸村は大坂城防御の弱点を補うために自身が出城を築くと提案。それは佐助の行き当たりばったりのアイデアだった。かくして幸村たちはまたたく間に徳川との最終決戦の最前線に立つこととなった。
そんな中、根津甚八(永山絢斗さん)は真田九勇士を名乗って城下町で好き勝手に振る舞っていた。そのことが真田九勇士にバレて咎められるが、佐助の提案で真田の勇士に加わることとなる。“真田十勇士”の誕生である。
そしてついに徳川対豊臣の“大坂冬の陣”の幕が切って落とされるのだった…。
一見お調子者ですが天才的なひらめきを持つ策士の佐助と、頭が切れて正義感も強く寡黙でクールな才蔵をはじめ、オカマキャラでありながら男気もある筧十蔵(高橋光臣さん)、誠実で文武両道の大番頭のような海野六郎(村井良大さん)、幼い頃より戦の世界で生きてきた由利鎌之助(加藤和樹さん)、父・幸村を心から尊敬する青年剣士の大助(望月歩さん)、大助の剣術指南役で茨城弁を話す望月六郎(青木健さん)、お調子者で臆病者ですが容姿が豊臣秀頼とそっくりな甚八など、真田十勇士の面々が個性があって魅力的でした。また、佐助と才蔵の幼馴染で才蔵に対して愛情を抱きながらも命を狙う女忍者の火垂(大島優子さん)、執拗に才蔵たちを追撃する久々津衆の剛腕戦士の仙九郎(石垣佑磨さん)などもいい味を出していました。家康や淀殿の存在感も凄かったです。
本当の幸村を知るのは佐助と才蔵のみで、2人は幸村を英雄に仕立てるために動きます。そんな2人は度々反目し合いながらも固い絆で結ばれていて、時折見せる連係プレーがよかったです。
出城“真田丸”を舞台とした大坂冬の陣や、ラストの大坂夏の陣の合戦シーンは、映画ならではの壮大なスケールで、豪雨、炎、爆発なども巻き起こって見応えがありました。
淀殿と幸村の禁断の秘密、佐助たちが最後に企てた大仕掛けなども見どころの1つでしょう。大胆な発想、アクション、スリル、友情、親子愛、ほのかな恋愛など、様々な要素が詰まっていて素直に面白かったです。冒頭のアニメーションやエンディングの絵物語による後日談も、色々と振り切っていて楽しかったです。

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