レディ・プレイヤー1 (タイ・シェリダン)

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映画『レディ・プレイヤー1』(Ready Player One)は、スティーヴン・スピルバーグ監督がアーネスト・クラインの小説『ゲームウォーズ』を映画化した作品です。
タイ・シェリダンは、パーシヴァルことウェイド・オーウェン・ワッツ役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想(ネタバレ注意)
2045年、世界は環境汚染が広がり、資源が枯渇し崩壊の危機に瀕していた。人々の心はすさみ、問題解決を諦めるようになっていた。コロンバスは地球で最も発展している街と呼ばれているが、街並みは荒廃していてそのようには見えない。
17歳のウェイド・オーウェン・ワッツ(タイ・シェリダン)は、そんなコロンバスのスラム街のような集合住宅に暮らしていた。ウェイドの唯一の楽しみは、想像がすべて現実になるバーチャル世界“オアシス”だ。そこは今や大半の人が入り浸っていて、食事と睡眠とトイレ以外はすべてオアシスでできると言えるほど世界が構築されている。自分の姿もアバターと呼ばれる分身となり、好きなキャラクターに成り代わって遊ぶのだ。
オアシスでは、創設者であるジェームズ・ハリデー(マーク・ライランス)が亡くなった後に流された遺言映像によって色めき立っていた。遺言の中身は「この世界にイースターエッグを隠した。最初に見つけた者が56兆円を相続し、オアシスを継承できる」というものだった。
オアシス内で始まった莫大な遺産の争奪戦に、ウェイドもまた参加。オアシスで出会った仲間たちと協力し、イースターエッグを探す。しかし、オアシスの征服を目指して手段を選ばぬ大企業IOI社も参戦しているのだった…。
近未来、人々は現実から逃避し、バーチャルリアリティの世界であるオアシスの中に希望を見出していました。本作の主人公であるウェイドもその一人で、現実世界では内気で暗い青年ですが、オアシスでは“パーシヴァル”として意気揚々と活動しています。現実世界では会ったこともなく本当の姿も知らないエイチ(リナ・ウェイス)と行動を共にし、良きライバルであるアルテミス(オリヴィア・クック)と出会って惹かれていき、やがてダイトウ(森崎ウィンさん)とショウ(フィリップ・ツァオ)も加わって、パーシヴァル、エイチ、アルテミス、ダイトウ、ショウの5人で協力し合って争奪戦に挑むようになります。
オアシスを貴重な経済資源としか見てないIOI社は、オアシスの世界を壊しかねない存在です。ウェイドたちは私利私欲を捨てて、オアシス、そして自分たちの世界を守るために勝とうと立ち上がりました。最終的には世界から集まったプレイヤーたちもそんなウェイドの呼びかけに応じて協力。片や巨大企業、片や世界から集まったプレイヤーたちとの大激闘となり見応えがありました。
本作ではアニメや漫画、映画、ゲームのキャラクターがアバターとして登場したり、有名映画やゲームの小道具や舞台までをも再現していたりして、特に1980年代を中心とするポップ カルチャーへのオマージュが盛り込まれていて、個人的に興奮しました。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンや『AKIRA』の金田バイクが入り乱れ、キングコングやティラノサウルスが襲い掛かってくるレースも凄かったですし、ガンダムVSメカゴジラ、アイアン・ジャイアントVSメカゴジラなどのバトルも迫力がありました。
ハリデーの人生最大の後悔は何だったのかが判明するところが感動的でした。人とうまく関われなくて現実世界に居づらくてオアシスを作ったハリデー。オアシスは、ハリデーのように現実から逃げようとしたウェイドたちに、大切なものを見つけさせてくれました。それは、自分自身を認め、仲間と団結することの大切さ。現実は辛く苦しいことばかりじゃなく、現実世界でしか味わえないこともあり、現実こそが本当にリアルなものであることなどです。
ポップカルチャー大集合という要素も面白かったですし、バーチャルリアリティが持つポジティブな可能性と短所も両方が描かれていて興味深かったです。