インターステラー (マシュー・マコノヒー)

matthewmcconaughey

映画『インターステラー』(Interstellar)は、『ダークナイト』シリーズや『インセプション』などのクリストファー・ノーラン監督が放つSFドラマです。
マシュー・マコノヒーは、クーパー役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
近未来。地球規模の環境変化と食糧難によって人類は滅亡の危機に瀕していた。妻を亡くした元宇宙飛行士のクーパー(マシュー・マコノヒー)は、トウモロコシ農場を営みながら義父ドナルド(ジョン・リスゴー)と息子トム、娘マーフと生活している。
マーフは自分の部屋の本棚から本がひとりでに落ちる現象を幽霊のせいだと言って気にしていた。そんなある日、クーパーはそれが幽霊ではなく重力の変化によるもので、バイナリで座標を示していることに気づく。すぐさま地図で調べてそれが指し示す地点に向かったところ、そこには謎の施設があった。無理やり侵入しようとしたため、クーパーとマーフは捕らえられてしまう。そこで取り調べを受けるクーパーは、かつて仕事仲間であったブランド教授(マイケル・ケイン)と再会。そしてその施設は、政府が秘密裏に復活させたNASAであると知らされる。
ブランド教授は“ラザロ計画”を説明し、人類の居住可能な惑星を探すために必要な熟練した宇宙飛行士が今のNASAにはおらず、クーパーにその任務を担ってほしいと話す。大切な家族を残して地球を離れなければならず、しかも何年かかるかも無事帰還できるかどうかも分からない危険なミッションであるため、クーパーは引き受けるべきかどうか悩む。マーフは部屋にいる幽霊からモールス信号で“STAY”というメッセージを受け取ったから行ってはいけないと主張する。しかしクーパーは、人類のため、愛する子どもたちの未来のために飛び立つ決心をするのだった…。
クーパーは、ブランド教授の娘アメリア(アン・ハサウェイ)と、ロミリー(デヴィッド・ジャーシー)、ドイル(ウェス・ベントリー)、そしてロボットのTARSとCASEと共に任務を遂行します。そこには想像を絶する困難が待ち受けていました。
伏線とその回収、小道具の使い方が見事でした。登場人物もいい味を出していて、やはり特に主人公のクーパーは感情の動きがしっかり表現されていて素晴らしかったです。クーパーとマーフの絆もさることながら、クーパーとロボットTARSのやり取りも興味深かったです。生存本能に忠実なマン博士(マット・デイモン)も印象的でした。
本作もノーラン監督は撮影している物を視覚的に理解するためにセットを建築。宇宙船の内部などは、飛び方や外の環境の場面に合わせて丸ごと動く装置になっていて、CG等は最小限度に抑えたそうです。その甲斐あってか宇宙船がリアルでしたし、グリーンバックではないため俳優さんの反応のタイミングも自然でした。
理論物理学者のキップ・ソーンが科学コンサルタント兼製作総指揮を務めているのも特筆すべき点でしょう。ストーリーに実際の科学が製作開始当初からとても深く盛り込まれたそうです。キップのデータを基に創り出されたというワームホールやブラックホールといった宇宙の映像も壮観でした。
いわゆるウラシマ効果とも呼ばれる“時間の遅れ”といった相対性理論をはじめ、宇宙やSFのちょっとした予備知識があると理解度がより一層増して楽しめるでしょう。そういった知識がなくても、リアルで壮大な映像や父と娘の愛の物語として十分楽しめると思います。また、壮大な宇宙に思いを馳せるのもいいでしょう。
ブランド教授が出発の日に読んだディラン・トマスの詩「穏やかな夜に身を任せるな。老いても怒りを燃やせ、終わりゆく日に。怒れ、怒れ、消えゆく光に」が印象的でした。この詩もある意味伏線になっていて、物語により深みを与えていると思いました。

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