ごめん、愛してる 最終回 (吉岡里帆さん)

yoshiokariho

吉岡里帆さんは、TBS系列の毎週日曜夜9時枠にて放送されていた日曜劇場『ごめん、愛してる』に三田凜華 役で出演しました。
一昨日は最終回(第10話)が放送されました。
●あらすじと感想(ネタバレ注意)
いよいよ死期が近いと感じた岡崎律(長瀬智也さん)は、三田凜華(吉岡里帆さん)を悲しませたくないという思いから、河合若菜(池脇千鶴さん)と魚(大智さん)を連れて古沢塔子(大西礼芳さん)の別荘に身を潜める。
一方、凜華は父・恒夫(中村梅雀さん)から律の命がもう長くない事を聞き、律が姿を消した意味を悟りつつも律を捜す。
体調が悪化した律は、自分は仕事があるからと嘘をつき、若菜と魚を自宅に帰す。若菜たちが帰宅すると、家で凜華が待っていた。凜華は若菜から律の居場所を聞き出してすぐさま向かった。
律は日向麗子(大竹しのぶさん)と、自分が死んだら心臓はサトル(坂口健太郎さん)にあげるという約束をしていた。検査の結果、律の心臓は奇跡的にサトルに適合することが判明した。
その矢先、律と凜華の目の前にサトルが現れる。心臓をくれるという律に、ある秘密を打ち明けるために病院を抜け出してきたのだ。サトルは律に秘密を打ち明け、自分には心臓をもらう資格がないと言うのだった…。
サトルは麗子の実の息子ではなく養子でした。赤ん坊の頃は律と同じように児童養護施設にいたのです。そして、麗子は血の繋がっていない自分のために命まで投げ出せる人だから、そんな人が自分の産んだ子を捨てるなんて、何か事情があったとしか思えないと話し、手遅れになる前に息子であることを打ち明けた方がいいとサトルは律に言いました。
その後、恒夫によって真実が明かされます。麗子は律を産んだ後、急激に体調が悪化して3日間意識がありませんでした。その間に、恒夫が律を連れ出して児童養護施設の前に捨てたのです。麗子が目覚めた時、恒夫は「子どもは死んだ」と伝え、医者や看護師にも口裏を合わせてもらいました。動機は、麗子のキャリアを守るため、そして何より恒夫自身が麗子の不倫相手・黒川龍臣(山路和弘さん)の子を産むことが許せなかったのです。子が生まれてくることを楽しみにしていた麗子は名前まで決めていました。恒夫は、母と子を引き裂く罪滅ぼしのつもりで麗子の宝石箱からサファイアの指輪を盗んで子のそばに置き、麗子が決めていた“律”という名前を紙に書いて添えました。要するにすべては恒夫のせいであって、麗子は自分の子が生きていること自体知らなかったのです。
サトルの機転で律は麗子と家で2人きりになりました。サトルの心臓に関して何かお礼がしたいと言う麗子に、律は何でもいいので飯を作って欲しいとお願いしました。母親の手料理・おかゆを口にして感激する律は麗子に何か話そうとしますが、我慢して家を出ていきました。きっと自身が息子であることを告げそうになったものの麗子のことを思いやってやめたのでしょう。取り残された麗子は自分でも訳が分からないまま目から涙が出ました。今さらですが本能で何かを感じたということでしょうか。
それから律は自身のスマートフォンの動画、そして眠っている凜華のスマートフォンから自身が映っている写真をすべて削除しました。自分の痕跡を消して早く自分のことを忘れてもらうためでしょう。それも凜華を思いやってのことです。眠っている凜華に軽く口づけをして律は部屋を後にしました。
海岸に行った律は、サファイアの指輪を海に向かって投げました。それから凜華に電話をかけ、「ごめん、愛してる」と告げて切りました。とても印象的なシーンでした。律はそのまま一人海岸を歩いていきました。それからまもなく律は亡くなり、心臓が無事サトルに移植されたようです。
一年後、コンサートを開くサトルの姿がありました。サトルはステージで、自分には一人の兄がいて、その兄のおかげで自分は命を繋ぐことができたと観客に告げ、「今日の演奏を兄に捧げます」と言ってピアノの演奏を始めました。その曲はショパンの「別れの曲」でした。観客席で涙ぐむ麗子は、こらえきれず席を立ちます。その様子を見た塔子が後を追いかけて「泣いてらっしゃるんですか?」と尋ねます。すると麗子は「泣いてなんかないわ。私の息子はサトル一人だけ。もう一人息子がいたけど、遠い昔に捨てたの。その子のために涙を流す資格は私には無いわ」と答えました。それから麗子は自宅で再びピアノを弾き始めました。そばに律がいることを感じているようです。
若菜は律の死を知らず今もなお帰りを待っていました。息子・魚に「そのうち帰って来るよ」と励まされ、「じゃあ、それまで2人で頑張ろうね」と笑顔で言いました。
韓国ソウルには凜華の姿がありました。本作ドラマの第1話の冒頭にあった場面に繋がります。思い出の場所で律のことを想う凜華は寝てしまい、「しっかりしろ、ボケちん!」という律の声が聞こえて目を覚まします。それからふと空を見上げ、笑顔を見せて歩きだしました。前を向いて歩く、それは律の願いでもあるでしょう。

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