- 2007年9月17日
長島弘宜(ながしま みつき)さんは、毎週土曜夜9時日本テレビ系列にて放送されていた連続ドラマ『受験の神様』に梅沢広 役で出演しました。
昨夜は第10話(最終回)が放送されました。
●あらすじと感想
義嗣(森本龍太郎)、恵美(小薗江愛理)は、志望校に合格したが、広(長島弘宜)は落ちてしまう。そんな広に、「私が今言えることは、今日の悔しさを忘れないこと。それを明日へつなげること。受験は、ゴールではありません」と菅原道子(成海璃子さん)。広の父・勇(山口達也さん)は、家中に貼ってあった受験の勉強関連のプリントやメモを燃やすよう広に提案。それを火種にして、肉を焼き出す。そして、こうアドバイスする。
「肉を食うことから始めないか? どんなに辛いことがあってもさ、生きていくためには、食っていかなきゃいけないんだ。この肉は、お前の一年間の結晶だ。だからこれ食って、みんな忘れちまおうぜ。人間ってさ、辛いことや悔しいことって、なかなか忘れられないもんだよ。でも先に進んでいくためには、忘れる強さも必要なんだ」
「過去にこだわらないで、きちんと忘れられることが明日につながるんだって、父さんそう思うよ」
その後、「早田(広の志望校)のバカヤロー!!」と突然叫んで、すっきりしたと広が笑う。続いて勇も同じように叫び、なんと道子までもが絶叫。無表情ながら、人間らしい一面を覗かせる。
恵美と義嗣が来て、バーベキューの後、部屋に戻って本日誕生日である広を祝う。ケーキのロウソクの火を吹き消す広の後ろで、柔らかい表情を見せる道子。
誕生日プレゼントをくれた義嗣と恵美に、改まって心から受験合格のお祝いを述べる広。それを後ろで見つめる道子は何かを感じているようだ。
勇は道子に言う。「俺が広に何かしてやれるのも、これで最後かもしれないな。あいつももう一人で歩き始めてる」
それに対し、道子が「みんな、一人で生きていくんです」と答えると、「ああ。一人で生きていくからこそ、友達も大事なんだよな。広たち見てて、よく分かったよ」と勇は言う。さらに勇は「君にもそういう友達、いるじゃないか」と言う。
道子は、それから、アメリカ合衆国のハーバード大学に行って、入学の辞退を申し出る。大事なものを見つけて、それは日本の高校にあると判断したのだ。そのことを説明し、勉強を続けて必ず兄の治療法を見つけると言う道子に、ハーバード大学側は、バックアップを約束してくれる。
一方、早田中に落ちたはずの広だったが、補欠合格が決定!
そして、4月。広、恵美、義嗣は別々の道を歩き出す。道子も應林高校で新しい道を歩き始めていた。隣の席には、友達の沙織がいる。
河原でキャッチボールをする広と勇。広は早田中のユニフォームを着ている。そんな二人を遠くで見つめていた道子だったが、腕時計を見て、「今日はここまで」と呟いてその場を去って行く。
「出会った旅人たちは、いつか、別々の道を歩いて行く。僕は、いつまで父さんとキャッチボールできるんだろう」「僕と父さんも、いつかは、別々の道を歩き始める」(広)
とても、よくまとまった最終回でした。今までの話が最終回にきちんと生かされていて感心しました。
道子の満面な笑みを見ることはできませんでしたが、いくらか柔らかい表情を見ることができて、ほっと一安心しました。
お兄さんの問題が解決されなかったのは残念でしたが、無理矢理解決するよりは、希望を持たせた終わり方で良かったのかもしれません。ただ、道子の両親が結局登場しなかったので、どうしているのかが気になりました。
広、恵美、義嗣の友達関係を築くきっかけを作ったのは道子でしたが、まさかそこから自分が大事な何かを学ぶことになろうとは、道子自身想像もしていなかったでしょう。
そして、最初は衝突することがありましたが、見事、道子の良き理解者、はたまた保護者のような存在になった勇。勇は、道子を尊敬することはあっても、受験の神様として崇めるようなことはせず、あくまでも一人の中学生として接してきました。だからこそ、道子は勇の言葉や行動に、はっとさせられるようなことがあったのでしょう。
道子はこれから「勉強」以外の大事なことも高校で学んでいくことでしょう。