お迎えデス。 最終回 (土屋太鳳さん)

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土屋太鳳さんは、日本テレビ系列の毎週土曜夜9時枠にて放送されていた連続ドラマ『お迎えデス。』に阿熊幸 役で出演しました。
一昨日は最終回スペシャル(第9話)が放送されました。
●あらすじと感想
堤円(福士蒼汰さん)は、あの世に旅立った緒川千里(門脇麦さん)の思いを受けて、ロケットを打ち上げて成功を収める。しかし円は元気がなかった。事情を知っている阿熊幸(土屋太鳳さん)はそんな円を励まそうと明るく接する。
そんな中、死神のナベシマ(鈴木亮平さん)とゆずこ(濱田ここねさん)が、真鍋律子(観月ありささん)を連れてくる。今回の成仏対象者である律子は仕事中に事故で亡くなったとのこと。律子の望みは、会社の後輩の村上あさみ(小林涼子さん)と同じく後輩の袴田弘(田中圭さん)が結婚して幸せになることだという。しかし、あさみと弘は付き合っているというわけではなく、しかもあさみは弘のプロポーズを断っていた。それでも律子は、2人がお互いに好意を持っているのは確かだと断言。なぜかナベシマの様子がおかしく、ナベシマと律子は言い争いばかりしている。
その矢先、円の所属するロケット同好会には、新人が10人も来た。そこで問題となってくるのは新人歓迎会の費用だ。新人を除くと所属者は円と加藤孝志(森永悠希さん)のみで、ロケット大会でお金は使い果たしてしまっている。そこで幸があることを思いつく。それは、あさみたちの会社でアルバイトをすることだった。これであさみと弘に近づくことができるし、歓迎会の費用も稼げるというわけだ。
早速アルバイトを始めた円と幸は、弘からあさみに対する想いを聞き出し、律子の強引さもあって、弘の2度目のプロポーズを後押しすることになるのだった…。
律子が考えたプロポーズリベンジ大作戦は、幸と円の2人が別れる別れないで悩んでいるのを弘とあさみが相談に乗り、幸と円の喧嘩が最高潮に達した時に弘がうまくなだめることによって解決し、あさみが弘のことを見直して気持ちが高まり、その勢いで弘がうまいことプロポーズに持ち込むというものでした。幸と円がリアルに喧嘩になってしまったこともあり、作戦は失敗かと思われましたが、弘は素直な思いをあさみに告げ、プロポーズに持ち込むことができました。にもかかわらず、やはりあさみは弘のプロポーズを再び断りました。それはあさみが弘のことを嫌いというわけではなく、別の理由があったからでした。
そんな弘に追い討ちをかけるかのように、なんと警察から律子を殺した犯人だと疑われてしまいます。律子の転落は事故かと思われていましたが、現場の手すりのネジが無くなっていることが分かり、しかもそのネジが弘の部屋から発見されたのです。
ナベシマは生前、あさみの兄・雅人であり、律子と交際して結婚の約束までしていました。あさみの希望で海に行き、律子へプレゼントするために花摘みをしている最中に崖から落ちそうになったあさみを助けようとして亡くなりました。幸いあさみは命は助かったものの負傷して歩けなくなってしまいました。あさみは自分のせいで兄が命を落として律子の幸せを奪ってしまったのだと負い目を感じ、自分だけ幸せになるわけにはいかないと考えていました。それで弘のプロポーズを断ったのです。その話を聞いたナベシマはすっかり生前の記憶を思い出しました。死神は生きている時とは姿・形が違うので、ナベシマが雅人であると律子に気づかれなかったのです。
ナベシマの生前のことは円と幸も知るところとなりました。円は、あさみの幸せと律子の成仏、そして2人が信用する弘の無実を証明するとナベシマに言いました。それから1年前にも社員が転落事故で亡くなり、最後に話をしたのが律子であると円たちは知り、その関連性に目を付けました。その亡くなった社員・池田(林泰文さん)から直接話を聞けば真犯人が分かるかもしれないと考え、円があの世に行くことになりました。死神が行けるのはあの世の玄関までで中には入れません。かと言って死者が一度あの世に入ると次に生まれ変わるまではこの世に戻れません。無理に戻ると怨霊化して消去されます。生きている人間が人為的に仮死状態になれば、目が覚めるまでの間はあの世に行くことが可能です。そこで幸を危険な目にはあわせられないとして、円が名乗り出たのです。それはあさみと弘のため、そして律子やナベシマのためでもあります。そう考えるようになったのは、円自身が認めるように幸に影響されたからです。
第2話で成仏する手助けをした少年・和弥(加部亜門さん)、高校時代の同級生・千里、そして第1話で手助けをした馬場陽造(伊東四朗さん)の協力のおかげで、円は池田に会って情報を聞き出して無事この世に戻ることができました。円があの世に行っている間に律子が幸に話した「本当の恋はね。その人がそこにただ居てくれるだけでいいもんよ。私は人生でそういう人に出会えたことが幸せだった」という言葉が印象的でした。その言葉で幸は自分の本当の気持ちに気づいたようです。あの世で千里に高校時代に好きだったことをようやく伝えた円もまた、今現在の自分の本当の気持ちを千里から諭さたようです。
池田と律子を殺したのは会社の上司・吉岡(住田隆さん)の仕業でした。池田は、吉岡が架空発注によって多額のお金を横領していた証拠となるデータをUSBメモリに入れて、律子の机の引き出しに入れました。律子はそれに気づきませんでしたが、池田を殺した吉岡は、データが律子のもとに渡ったと知って律子も殺したのです。さらにその罪を弘に被せるために弘の家に忍び込んでネジを置きました。
律子の机の引き出しの鍵を見つけてUSBメモリの中身を見たことから、今度はあさみの命が狙われます。でもすんでのところでナベシマが助けに駆けつけました。見えないナベシマに何度も殴られる吉岡は恐怖を感じ、円たちが連れてきた警察に自身の保護を求めて犯行を自供しました。ナベシマからウサギの人形まで拾い上げてもらったあさみは、見えない何かの存在に気づきます。ナベシマのことは口止めされているので、幸は律子の存在を明かしました。あさみは、律子に会って話したいと言います。そこで円は律子に対して自分の身体に憑依するよう申し出ました。円に憑依した律子は、事件に巻き込んで危ない目にあわせてしまったことをあさみに謝罪して、ずっと一緒にいてくれたことに対して感謝を述べました。律子から兄・雅人を奪ったとして泣いて謝罪するあさみに、律子は十分幸せにしてもらったと言い、次はあさみに幸せになってもらいたいと伝えました。
吉岡が逮捕されたことで、弘の疑いが晴れて釈放されました。あさみは弘を迎えに行き、プロポーズをしました。驚きつつも弘は喜びました。これで心置きなく成仏できると話す律子ですが、ナベシマは、本当はウエディングドレスを着たいのではないかと問いかけます。そこで幸がアイデアを思いつきました。それは、幸が幽体離脱してその間に律子が幸の身体に憑依して、ウエディングドレスを着て簡易的な結婚式を挙げることでした。新郎の役は円が務めます。円の身体を借りれば、ナベシマは律子と結婚式ができるのに、死神と幽霊の個人的な関わりは禁止されているとしてやりませんでした。生前の思い出がよみがえったこと、それに律子のウエディングドレス姿を見ることができただけで満足とのことです。結婚式に出席したのはあさみと弘です。あさみは律子が幸の身体に憑依していることを知りつつお祝いしますが、弘は何も知らされず、円と幸が仲直りしたのだと勘違いして安心していました。式が終わり、会場の外まであさみの車椅子を押してくれる円。実はナベシマが憑依していました。「短い間に色々あったな」と話すあさみに、円の姿をしたナベシマは「ああ、これからもっと色々あるさ。いいことがな」と答えました。兄妹の絆のおかげか、あさみは「じゃあな」と言って立ち去る円の中身が兄であると気づいたようです。そんなあさみが、呼び止めるのを諦めて「さよなら」と呟くところが印象的でした。律子もまた、あの世に行く際にナベシマにお礼を言って、雅人と一緒にいるみたいで楽しかったと話しました。
律子を見送った後、円は幸のウエディングドレス姿がキレイだったと褒め、「つきましては、僕とお付き合いして下さい」と言いました。突然の告白に幸は驚いて「好きかどうかは今後の検討課題とか言ってたじゃない」と円に問います。すると円は「だから十分な検討の結果」と答えます。さらに幸が「検討の結果…何?ちゃんと明文化してよ」と言って迫ると、円は幸に口づけをしました。何をするのかと幸が質問し、円は“キス”の言葉の意味を説明し始めます。その長い説明を遮るように幸が「そういうことを聞いているんじゃない!」と言って円の腹にパンチを打ち込んだところで物語は幕を閉じました。最後はお互いに笑顔を見せていていい雰囲気でした。
円の成長、ナベシマの生前の出来事、円と幸の関係の行方を見ることができてよかったです。登場人物の関係性も面白かったです。