ルパン三世 血の刻印 (次元大介)

jigen

モンキー・パンチさんの同名漫画が原作のアニメ『ルパン三世』のTVスペシャルシリーズ第22作『ルパン三世 血の刻印 ~永遠のMermaid~』が、先週の日本テレビ系列『金曜ロードショー』にて放送されました。
本作では、石川五ェ門、峰不二子、銭形警部の声優が一新されました。
●導入部のあらすじと感想
「熊殺しのお昌」の異名を持つ裏社会の顔役・藤堂昌江(声:野沢雅子さん)が峰不二子(声:沢城みゆきさん)を人質に取り、あるオークションに出品される幻の宝玉「人魚の鱗」を盗むようルパン三世(声:栗田貫一さん)に指示する。
ルパンは、次元大介(声:小林清志さん)、石川五エ門(声:浪川大輔さん)と共に「人魚の鱗」を見事に盗み、銭形警部(声:山寺宏一さん)たちの包囲網も突破する。
しかし、「人魚の鱗」の出品者である氷室(声:石田彰さん)が藤堂を殺害し、博物館を爆破。しかも、ルパンが盗んだ「人魚の鱗」は偽物だった。
氷室は医療機器メーカー社長という表の顔を持つ死の商人だ。藤堂の事務所から逃げ出してきたと言い張る不二子の情報によると、氷室の狙いは「八百比丘尼」の財宝らしい。「人魚の鱗」はその財宝の封印を解く鍵となるのだ。
ルパンは氷室を出し抜こうと、封印を解くために必要なもう1つの宝「龍鱗石」を盗み出す。そんな中、ルパンはひょんなことから出会った14歳の少女・麻紀(声:渋谷はるかさん)に弟子にしてほしいと付きまとわれるのだった…。
今年、1971年のテレビアニメ版『ルパン三世』の誕生から40周年を迎えました。
今回、石川五ェ門、峰不二子、銭形警部の声優が一新されましたが、基本的には前回までの雰囲気を引き継いでいて、ほとんど違和感はありませんでした。
ストーリーの方も、いい意味で『ルパン三世』のTVスペシャルシリーズの王道をいく構成で、笑いあり、アクションあり、切ない要素ありで楽しめました。特に財宝にまつわる初代ルパンのエピソードが明かされていく展開が面白かったです。
“狙った獲物は必ず奪う神出鬼没の大泥棒”のレッテルがいつの間にかついてまわるようになったと言うルパン。そんなルパンは今回、「予告をきっちり守って、より困難なお宝に挑戦して、そんなことを続けた先に何が待っている? 俺は何を手に入れようとしてるんだ?」と自分自身に問いかけます。完璧主義だった祖父の初代ルパンが唯一残していった宿題に取り組むことによりルパンが導き出したその答えは、実に単純明快なものでした。それは私が作品を鑑賞する時の姿勢に通ずるものがある気がします。結局のところ“楽しんだもん勝ち”ということですね。