friends もののけ島のナキ

  • 2011年12月29日
  • 映画
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friends

映画『friends(フレンズ)もののけ島のナキ』は、浜田廣介さんの童話『泣いた赤おに』をベースに、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズなどで知られる山崎貴監督が脚本を書き、山崎監督の20年来の盟友・八木竜一監督と共同でメガホンをとったCGアニメーションです。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
海の先にある「真ん中岩」の向こう側には、人間を食べる“もののけ”が住んでいると言い伝えられている、恐ろしくて近づくことさえ禁じられた不気味な島「もののけ島」があった。
ところがある日、人間の赤ん坊・コタケ(声:新堂結菜さん)がもののけ島に入り込んでしまう。突然現れたコタケを見て、もののけたちは大騒ぎ。実はもののけたちも人間に怯えて暮らしていたのだ。そこでもののけ島の長老はコタケを人質にすることを決め、暴れん坊の赤おに・ナキ(声:香取慎吾さん)と青おに・グンジョー(声:山寺宏一さん)にコタケの面倒をみるように命じた。
しかし、ナキはある事情から人間のことがことさら大嫌いだった。コタケともはじめはケンカばかりしていたナキだったが、一緒に暮らしていくうちに情がわき、2人の間に友情が芽生えていく。
そんな中、ナキはコタケが実は母親を恋しがっていることを知り、グンジョーと共に、ゴーヤン(声:阿部サダヲさん)やミッケ(声:YOUさん)たちにも協力させて、コタケを人間の村に送り届けるのだった…。
もののけと人間の間には200年前に起きたある事件の因縁があり、相容れない関係にありました。ナキとグンジョーの子どもの頃のエピソードもそれに関係してくるのですが、もののけと人間の関係、ナキとグンジョーの関係が分かりやすく描かれていて見事だと思いました。
もののけ島のキャラクターが魅力的に描かれていたのも印象的でした。特にゴーヤンがいい味を出していて面白かったです。
そしてなんといってもコタケの可愛らしさはたまらないことでしょう。ナキがコタケを人間の村に帰らせようとするが、コタケが帰ってきてしまうシーンが印象的でした。いたずら好きでわんぱくなコタケは、幼きゆえに先入観が少なく、もののけを怖がりません。コタケが赤ん坊でなければ、もののけと人間の架け橋になれたでしょうけど、人間の大人に理解させるには力不足です。そこで童話『泣いた赤おに』の話が生きてくるわけです。ネタバレになるので多くは語りませんが、タイトルの“friends”は、ナキとコタケの関係と、ナキとグンジョーの関係の2つの意味が込められているのだとしみじみと感じました。
本作のメインキャラの声優陣は、SMAPの香取真悟さん、新堂結菜さん、山寺宏一さん、阿部サダヲさん、YOUさんです。山寺さん以外は本職の声優さんではなかったので正直不安でしたが、違和感はありませんでした。先に音声を収録し、それに合わせて画を製作していく“プレスコ”という方式だったのも功を奏したのかもしれません。
小さな子どもからお年寄りまで、いろんな世代の人たちが楽しめる映画だと思います。