アジャストメント (マット・デイモン)

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映画『アジャストメント』(原題:The Adjustment Bureau)は、フィリップ・K・ディックの短編小説「調整班」を原作としたSF恋愛サスペンス作品です。
マット・デイモンは、デヴィッド・ノリス役で出演しています。
昨日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
スラム出身のデヴィッド・ノリス(マット・デイモン)は将来有望な若手政治家として有名で、上院議員候補として選挙に出馬していたが、過去のスキャンダルにより落選が確実となった。敗北宣言を控えたデヴィッドは、ダンサーであるエリース・セラス(エミリー・ブラント)と出会って感化され、予定していたものとは違う内容の型破りなスピーチをした。しかし、それが功を奏してイメージアップにつながって次の選挙戦への望みもつなげた。
その後、“アジャストメント・ビューロー(運命調整局)”のエージェントの一人であるハリー・ミッチェル(アンソニー・マッキー)のミスにより、デヴィッドは乗り遅れるはずのバスに間に合って乗車し、そこでエリースに再会して親交を深める。それから運命調整局のエージェントたちが予定していた時間よりも早く仕事場に着いてしまったデヴィッドは、彼らと鉢合わせするのだった…。

本作の世界では、世の中の筋書きは運命調整局の“議長”によってあらかじめ決められていて、そこから外れそうになると運命調整局のエージェントたちが操作して調整していきます。彼らの目的は世の中の調和とバランスを監視することです。いわば、議長=神様、エージェントたち=天使のような位置づけなのですが、彼らの力は万能ではなく、その業務を遂行する姿はまるで役人のようです。そこが個人的には物足りなくもあり、面白くもありました。
アクションを期待して観ると肩透かしを食らうことになるかもしれません。確かに主人公デヴィッドは運命に抗い、自らの未来を賭けて組織と闘うのですが、最終的には、ある目的地に向かって組織に捕まらないよう走っているだけです。ただ、本作は潔いまでに恋愛に的を絞っているので、デヴィッドが自分の愛を貫くために懸命に疾走する姿は単純にカッコいいと思わせてくれます。自分の意思を持たず上司の指示に右往左往する運命調整局のエージェントたちよりも、「運命は自らの手で切り拓く」と奮闘するデヴィッドの方が当然のことながら断然カッコいいのです。
運命調整局がデヴィッドの運命にこだわる理由は終盤で一応明かされます。オチは呆気ないですし、突っ込みどころや疑問点も多々ありますが、なかなか楽しめる作品でした。
ちなみに本作以外にもディック原作の映画は、『ブレードランナー』(小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」)、『トータル・リコール』(短編「追憶売ります」)、『マイノリティ・リポート』(短編「少数報告」)など多数あります。