ズートピア (Zootopia)

zootopia
映画『ズートピア』(Zootopia)は、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ長編作品です。
監督は、『塔の上のラプンツェル』のバイロン・ハワードと、『シュガー・ラッシュ』のリッチ・ムーアなどが務めています。
先日、レンタルして鑑賞しました。
●導入部のあらすじと感想
田舎町バニーバロウに暮らす少女ジュディ・ホップスは、「立派な警察官になって世界をよりよくする」という夢を抱いていたが、両親は、ウサギが警察官になった前例はないとして家業であるニンジン作りを勧める。キツネのギデオン・グレイも、どんなにもがいていもウサギはニンジン作りしかできないとしてジュディをいじめる。
しかしジュディは諦めずに努力し、15年後、ついに警察学校を首席で卒業し、大都会ズートピアのズートピア警察署(=ZPD)で警察官として働くことになる。希望に満ちあふれるジュディだが、サイやゾウなどの同僚たちが動物たちの連続行方不明事件の捜査を命じられる中、ジュディに与えられた任務は駐車違反の取り締まりだった。
不満を感じながらも、スイギュウのボゴ署長に認めてもらおうとジュディは張り切って駐車違反の取り締まりを行う。そんな中、キツネのニック・ワイルドと出会って困っている様子だったので手助けをしてあげたが、実は騙されていたことを後から知る。そのことをニックに問い詰めたところ、逆に侮辱される。
さらに追い討ちをかけるように、駐車違反で取り締まられた市民はジュディに不満をぶつける。そんな中、花屋で強盗事件が発生し、近くに居合わせたジュディが犯人を追いかける。途中で他の署員の応援を待つようクロサイのマクホーンに言われるが、犯人逮捕に必死なジュディはそれを無視。やっとの思いで犯人を捕まえたものの、危険な追跡と命令違反についてボゴ署長から咎められる。その上、カワウソのエミット・オッタートンの行方不明事件の捜査をすると勝手に夫人に宣言。ヒツジのドーン・ベルウェザー副市長の後押しのおかげもあってボゴ署長は渋々ジュディの捜査を認めるが、48時間の期限付きで、失敗したらクビだと言い渡す。
ジュディが渡された捜査資料には、監視カメラの映像写真が1枚あるぐらいでほとんど情報がなかった。その写真に写っていたエミットはアイスキャンディーを持っていて、それを売ったであろう詐欺師ニックの姿もあった。そこでジュディはニックにエミットのことを訊ねるが、当然のことながら拒否される。そこでジュディは機転を利かせてボイスメモ機能があるニンジン型のペンにニックの脱税の証拠となる会話を録音し、そのペンと引き換えにカワウソのオッタートン捜しを手伝わせるのだった…。

「誰でも何にでもなれる」として夢を信じているジュディと、「人生は変えられない」として夢を捨てたニック。そんな対照的な2人が一緒に事件を追うことになり、お互いに影響を与え合うところがよかったです。
登場キャラクターもいい味を出していました。正義感が強くて行動的で頑張り屋のジュディと、現実を知る皮肉屋だが陽気な魅力があってどこか憎めないニックはもちろんのこと、ドーナツが大好物でチーターとは思えないほど太っていておしゃべりなクロウハウザー、厳しく頑固で威圧的な態度を取るが市長や副市長に対しては頭が上がらないボゴ署長、副市長の役職を与えられているものの実態はレオドア・ライオンハート市長の秘書のようなことをやらされているベルウェザー、免許センター職員で驚異的な超スロー・ペースを崩さないナマケモノのフラッシュ、ツンドラ・タウン裏社会のボスで見かけによらず冷酷なトガリネズミのミスター・ビッグなど、個性的なキャラクターが多数登場しました。
興味深かったのは、ズートピアでは草食動物が9割、肉食動物が1割の比率である点です。実際、自然界でも哺乳類の90%は被捕食者で、10%が捕食者という関係だそうです。本作ではそんなマジョリティとマイノリティの関係が物語にうまく組み込まれていました。また“偏見”や“先入観”、“固定概念”についても色々と考えさせられました。
本作で一番印象的だったのは、ジュディの“前向きさ”です。ジュディの「世界をよりよくする」という夢の道のりは、決して平坦ではなく、困難の連続で失敗することもありました。それでもくじけずに自分自身を見つめ直し、ひたむきに頑張ることで困難を乗り越えていきます。外側である世界をより良い場所に変えるために、まずは内側に目を向けて自分自身をより良く変えていったのです。そんなミクロとマクロの関係といいましょうか、個人の変革により世界の革命を起こす流れは感動的でした。そしてそのために大事なのは、くじけない意志なのだとあらためて感じました。