女はそれを許さない 最終回 (寺島しのぶさん)

terajimashinobu
寺島しのぶさんは、TBS系列の毎週火曜夜10時枠にて放送されていた連続ドラマ『女はそれを許さない』に海老沢凛香 役で出演しました。
先日は最終回(第10話)が放送されました。
●あらすじと感想
大型トラックが子どもをはね5人も死亡させた事故の遺族の代理人を務めることになった岩崎麗(深田恭子さん)と海老沢凛香(寺島しのぶさん)。そんな中、事故を起こして亡くなったトラック運転手・平田正人(和泉崇司さん)は、かつて危険ドラッグの使用で起訴されていた事実が浮上しました。しかもその弁護を忠守藤次郎(上川隆也さん)が担当していました。そのことを知った野村涼子(安達祐実さん)たち遺族は、同じ事務所の麗と凛香にも不信感を抱き、新しい弁護士が見つかったら正式に解任すると言います。忠守もまた、ご遺族に迷惑をかけられないし麗たちを巻き込むわけにはいかないとして、解任要求を受け入れようと言い出します。
マスコミや野村涼子から責められて自信を失いかけていた忠守でしたが、平田の妻・真由美(原田佳奈さん)の「夫は忠守先生に感謝していて、真面目に働いてきた」という証言や、麗の「人を信じて信じて信じ抜こうという精神を教えてくれたのは、藤次郎先生です」といった言葉に励まされ、平田をあらためて信じることにしました。忠守は直接遺族に謝罪し、代理人を続けさせてもらうようお願いしました。遺族のために真実を明らかにしたいという忠守の思いが通じ、麗と凛香は代理人として裁判を続けさせてもらうことになりました。
被告の運送会社は、5億円の請求を全面的に認めて和解を求めますが、麗たちは、遺族が望むのは真相の究明であるとして審議の継続を要求しました。麗は事件現場に足を運び、平田を知るという老婆・南(関えつ子さん)に事故当日の話を聞くことができました。滝口泰輔(溝端淳平さん)も事故現場近くのピアノ教室が当日レッスンをしていたことを聞き出し、新たな証言を引き出そうと奮闘します。凛香はお得意の手法を駆使して、トラック事故に関する記録を入手します。過去3年間のトラック事故の判例を調べていた忠守は、原因不明で処理された案件の多くが同じメーカーのトラックによる事故であることに気づきました。平田が運転していたトラックも同じメーカーのものでした。
そして始まった法廷。麗は次々と物証や証人の証言から、平田が事故当時危険ドラッグを使用していなかったという結論を導き出しますが、運送会社の弁護を担当するセイント法律事務所の葛城雄二(加藤雅也さん)も負けじとその信憑性を崩していきます。しかし、新証人・工藤誠司(吉沢悠さん)の登場で事態は一変します。工藤は、セイントの所長・児玉義勝(竹中直人さん)がある事実を隠していることを証言しました。それは、児玉がライバル会社の情報を帝和商事に流し、個人的な利益と所長就任後に顧問弁護士になる約束を取りつけていたことです。それから帝和商事と児玉が両者の思惑から今回の事故の隠ぺいをしようとしていたことも証言。それは、帝和商事の子会社・帝和ディーゼルの販売するトラックのリコール隠しです。帝和ディーゼルは、トラックのブレーキが利かなくなる故障を隠していたのです。事故の当日、平田もトラックのブレーキが利かなくなり、子どもをはねてしまったというわけです。
児玉が執拗に証拠の提示を求めますが、まだ麗たちの元にはありませんでした。しかしその直後、過去3年間で起きた帝和ディーゼルの事故36件すべての証言データが届きます。それは、忠守や滝口、蝶野薫(松重豊さん)たちが全国各地の運送会社の社員から直接聞き集めたものでした。新証拠としてそれを提示した凛香は、胸を張って「これは大規模なリコール隠しだと思われます」と言いました。続けて麗は「子どもたちの命を奪ったのは誰ですか。人生をやり直そうとしていた平田さんの命を奪ったのは誰ですか。あなたたちにはその悲しみが見えないんですか?企業の保身のために真実をねじ曲げようとしたあなたたちを許せません!本法廷終了後、帝和商事、帝和ディーゼルを刑事告訴いたします!」と毅然とした態度で言い、凛香が「並びにセイント法律事務所・児玉所長を弁護士法違反及び特別背任罪で告訴いたします!」と言いました。麗と凛香の連携が見事でした。
法廷終了後、児玉が葛城にすぐに裁判の支度をするよう言いますが、葛城は「セイント法律事務所はあなたを訴えます。もう終わりだな」と答えました。その後、児玉は失脚し、葛城はセイントを出たようです。
後日、忠守は麗と凛香に感謝の言葉を述べ、2人を中心に事務所をやっていく方針を示そうとします。ところがそれを遮るように麗が「凛香さんにこの事務所で弁護士として活動されるのは迷惑です」と言い、凛香のやり方を批判します。凛香も売り言葉に買い言葉で麗の甘い考え方を否定。2人は言い合いになり、ついには凛香が事務所を出ていきました。しかし、これは麗が凛香のことを思いやってわざとやったことでした。麗は、凛香が弁護士として思いっきり活動できる場所は忠守法律事務所ではないと思ったのです。凛香もまた、麗が自分に気を遣ってそうしたのだと分かっていました。
一年後、滝口は後輩を抱える弁護士になっていました。そんな滝口が見逃せない裁判、それは麗と凛香の対決でした。凛香が一方的にやり込むのかと思いきや、なかなかどうして麗も対等に渡り合います。裁判終了後、道すがらに凛香は麗を呼び止めて「ありがとね」と言って立ち去りました。麗は笑顔で凛香の後ろ姿を見送りながら「また法廷で」と呟きます。そして、2人はそれぞれの道を歩き出すのでした…。

セイントにいた頃の凛香は、企業だけを見て、誰が傷ついて誰が助けを求めているかなんて見ないまま法廷で争ってきました。そんな凛香が、忠守のところで麗と共に直接顔の見える案件を扱ってきたことにより、はっきり依頼人が見えるようになり、依頼人の気持ちをしっかり考えるようになったところが印象的でした。麗もまた、依頼人の感謝の言葉により自信をつけてきたのでしょう。2人にとって依頼人の「ありがとう」の言葉の意味は本当に大きかったのだとあらためて感じました。