STAND BY ME ドラえもん

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映画『STAND BY ME ドラえもん』は、藤子・F・不二雄先生の漫画『ドラえもん』を初めて全編3DCGアニメーション化した作品です。『friends もののけ島のナキ』などの八木竜一さんと『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズなどの山崎貴さんが共同で監督を務めています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
何をやらせてもまるで冴えない小学生・野比のび太。ある日、そんな彼の前に異質な訪問者が現れる。22世紀から来たネコ型ロボット・ドラえもんと、のび太の孫の孫であるセワシだ。セワシの話によると、のび太は会社に就職できず、自分で会社を作るも倒産。莫大な借金を残して子孫たちを困らせているという。そんな悲惨な未来を変えるために、のび太の世話役として連れて来られたドラえもんだったが、どうにも気乗りがしないようだ。そこでセワシはドラえもんに“成し遂げプログラム”をセットする。それは、のび太を幸せにできない限り22世紀に帰って来られないというものだ。
かくして、のび太とドラえもんの新しい生活が始まった。最初は嫌々のび太の世話役を引き受けたドラえもんだったが、次第に仲良くなって友情を育んでいく。のび太は、ドラえもんの協力のもと、しずかちゃんとの幸せな未来をたぐり寄せていく。しかし、それはドラえもんとの別れへのカウントダウンでもあった…。

原作漫画の「未来の国からはるばると」「たまごの中のしずちゃん」「しずちゃんさようなら」「雪山のロマンス」「のび太の結婚前夜」「さようなら、ドラえもん」「帰ってきたドラえもん」などのエピソードに新たな要素を加えて再構築したストーリーになっていました。私はすべてのエピソードを知っていて、本作の話の展開も読めましたが、それでも感動しました。
タケコプター、どこでもドア、アンキパン、透明マント、ガッチリグローブ、タイムふろしき、着せかえカメラ、ハッスルねじ巻き、ガリバートンネル、アパートごっこの木、雲かためガス、通りぬけフープ、刷りこみたまご、ストレートホール、虫スカン、タイムテレビ、正直電波、ウソ800など、原作お馴染みの“ひみつ道具”が多数登場しました。原作のデザインを踏襲しながらもおしゃれなイメージになっているものもありました。タイムマシンもカッコよかったです。
キャラクターの3D化に関しては、個人的に受け入れることができるかどうか心配だったのですが、実際観てみるとさほど気になりませんでした。ひみつ道具同様、服や靴はCGならではの質感があり、人間自体も細部まで作り込まれていてリアルですが、現実の人間のように見えるわけではありません。動きや表情も含めて全体的に原作のイメージに近づけてありました。
3D表現ならではと思ったのは、タケコプターで空を飛んでいるシーンです。特にのび太が初めてタケコプターを使う場面や、のび太が未来の自分を尾行する場面は、目まぐるしく視点が変わって見応えがありました。
原作に登場する美少女アイドル歌手・星野スミレのポスターがドラえもんの寝床である押入れの中に貼ってあったり、のび太の結婚式前日の場面で「星野スミレ ディナーショー」の案内の電子掲示板があったり、未来のジャイアンの部屋にノビタレコード「乙女の愛の夢」が飾ってあったりと、原作ファンの心をくすぐるような小物等もありました。
未来ののび太は、近くでドラえもんが昼寝しているにもかかわらず、直接会うことはしませんでした。その際に未来ののび太が少年ののび太に言った「ドラえもんは君の…僕の子どもの頃の友達だからね。ドラえもんとの時間を大切にしろよ」というセリフが印象的でした。その言葉はその後に展開される話にも関係していて、心にじんわりと響いてきます。身近すぎるものは、存在自体が当たり前に思ってしまいがちです。でも、ごく当たり前のように思っているものも、いつ失われるのか分からないのです。何事も当たり前と思わず、目の前にあることに感謝して大切にすることが大事だと思いました。
エンディングでは、ドラえもんたちを役者に見立てたNGシーン集なるものがありました。ピクサー作品で観たことのある手法でしたが、面白かったです。