スペシャリスト 最終回 (南果歩さん)

minamikaho

南果歩さんは、テレビ朝日系列の毎週木曜夜9時枠にて放送されていた連続ドラマ『スペシャリスト』に姉小路千波 役で出演しました。
一昨日は最終回(第10話)が放送されました。
●あらすじと感想
殺人を犯したのに罪に問われなかった8人の男女が、最後の1人になるまで互いに殺しあう“殺人トーナメント”なる裏サイトの事件。警視庁・総合事犯対応係(仮称)の宅間善人(草なぎ剛さん)たちは、その事件を追う中で、犯罪脚本家・佐神稚洋(上川隆也さん)のおかげもあって“我々”のことについても分かってきました。
“我々”は多数の司法機関や諜報機関を横断した勉強会でした。当時はまだ副本部長だった高倉紀一郎(大杉漣さん)、警察庁からは現長官の白河仙太郎(松平健さん)、そして公安調査庁からは我妻真里亜(夏菜さん)の父・公昭(羽場裕一さん)が参加していました。さらに“我々”は犯罪者の有効利用を計画。そのために殺人トーナメントの参加者を含む多数の犯罪者を集めていましたが、結果的に、犯罪が好きで好きでしょうがない犯罪者たちを野に放つこととなってしまいました。
“我々”は解体後、メンバーが大きく2つに分かれました。自分たちの失敗を公表して責任を取るべきだという一派と、自らの黒歴史をすべて封印しようとする一派です。高倉と白河長官は、いずれ“我々”の存在を公表するつもりでした。公昭は、野に放たれてしまった犯罪者の追跡調査をずっと行っていました。しかし、調査の過程でさらに恐ろしいことが判明します。それは、“我々”のメンバーの一部が解体後も犯罪者たちを密かに自分たちの組織防衛のために利用していたことです。公昭は白河長官に事実をすぐに公表するように迫りましたが、今はまだ早いと止められます。なぜなら、“我々”に関わり犯罪者を利用しようという人間はすでに各組織の中枢に上り詰めていて、自分たちの秘密を隠ぺいするためには手段を選ばず、公表すれば、公昭自身や家族の命までも危うくなる可能性があったからです。
名前も戸籍も消した公昭は、密かに“我々”の残党の監視を続けました。そして誰が“我々”が生んだ犯罪者を利用しているのかを突き止めました。それは同時に公昭の娘・真里亜がもっと危険な人質になってしまったことを意味していました。その張本人は、真里亜の上司で警察庁警備局警備対策官の滝道博喜(吹越満さん)だったからです。滝道は白河長官の懐刀で、勉強会時代から“我々”に関する情報をすべて見られる立場にいました。そのくせ白河長官の目を欺いて“我々”の犯罪者をそっくり自分のものにして利用していたのです。宅間たちを京都府警から呼んだのも、真里亜を配属したのも、自分の監視下に置いて何かあった時にまとめて処分できるようにとの危機管理のためでした。
滝道は、“我々”の秘密を突き止めた宅間、公昭、真里亜たちに拳銃を突きつけ、助かりたければ仲間になるよう持ちかけます。宅間の能力を利用したかったからです。でも宅間は、出所してからずっと一緒にいる刑事・姉小路千波(南果歩さん)の話をし出します。刑事のくせに全然優秀じゃない姉小路が、旦那を殺した犯人を見つけた時も簡単に相手の挑発に乗ってしまって、今にも引き金を引きそうだった話です。そして宅間は「だけどね。撃たなかった。だって“刑事”だから。こうしている今だって、その人の声が俺の頭の中で響いてる。“宅間は絶対に犯罪者なんかにならない。宅間には刑事しかないんだから”って。だからそっち側には行かないよ」と言いました。それを聞いた滝道は仲間にすることを諦めて宅間を撃ちました。そこへ姉小路、松原唯子(芦名星さん)、堀川耕平(平岡祐太さん)たちが駆けつけて、滝道を確保しました。銃弾に倒れた宅間ですが、生きていました。防弾チョッキを着ていたからです。
翌日、結局“我々”のことは一切記事になっていませんでした。白河長官が言うように「トカゲのしっぽ」だったということでしょう。そもそもこのタイミングで“我々”の存在を公表しない白河長官自体も怪しいものです。白河長官は「“我々”はすでに組織ですらない。もはや理念なんだ。その理念が世に放たれた以上、取りつかれた人間が新たな“我々”を作らんとも言いきれないんだ」と姪の真里亜に説明しました。
宅間の元妻・室町美也子(紺野まひるさん)は、“殺人トーナメント”の事件で被害に遭って昏睡状態に陥っていましたが、奇跡的に目を覚ましたようです。浜辺でひとり泣く宅間のもとに、それを知らせに姉小路が走って来たところで物語は幕を閉じました。
密かに姉小路たちにサインを送って、無茶をして滝道と対峙した宅間。自分たちがサインに気づかなかったらどうするつもりだったのかと叱る姉小路に対して、宅間が「分かるんですよ、俺。だって、2年10カ月一緒にいたんですから」と答えていたのが感動的でした。
ひとまず警視庁・総合事犯対応係(仮称)は無くなるようですが、宅間たちを中心にしてまた似たような部署ができるでしょう。残念ながら世の中には、まだ宅間たちを必要とする難事件が絶えないからです。