スニッファー 嗅覚捜査官 最終回 (香川照之さん)

kagawa06
香川照之さんは、NHK総合の土曜ドラマ枠にて放送されていた連続ドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』に小向達郎 役で出演しました。
昨日は最終回(第7回)が放送されました。
●あらすじと感想
華岡信一郎(阿部寛さん)は、耳鼻科医・末永由紀(井川遥さん)に思いを打ち明けて自宅に誘った。しかし約束の時間になっても、由紀は来なかった。
そんな中、華岡は小向達郎(香川照之さん)から由紀のことを知らされる。由紀にはなんと夫がいた。夫・桐生(戸田昌宏さん)はもともとは優秀な精神科医だったらしい。ところが3年前に都内で大規模な投資詐欺グループが捕まり、そこに桐生の名前があったのだ。金額が巨額だったことから懲役2年の有罪判決となった。
華岡のもとに差出人“神”からの荷物が届けられる。中には、手紙とハンカチとハンドタオルが入っていて、手紙には「どっちだ?」と書かれていた。ハンカチからは20代の若者、ハンドタオルからは50代のサラリーマンの匂いがしたが、なぜか手紙には匂いが無かった。
華岡が嗅ぎとったヒントをもとに達郎たちは捜査をして失踪していた20代男性を見つけ出して助ける。その男性はガスが充満した車に閉じ込められていて、もう少し遅ければ亡くなってしまうところだった。ちょうどその頃、華岡のもとに犯人とおぼしき男性(安田顕さん)から電話が入る。その男性は「早く救ってやれ。死ぬぞ」と言うのだった…。

50代の男性はすぐ近くの岸壁の所にくくりつけられていて、潮が満ちたことによって死んでいました。犯人は、一人を助けたら一人は死ぬようにしていたのです。すなわち満潮の時間、くくりつける位置、それと20代男性の方の排気ガスの量を絶妙に合わせて、死亡時刻が一緒になるようにセットしていました。
その後も犯人は同じように華岡に選択を迫るメッセージを送りつけます。それから華岡たちが一人を助けると、もう一人は間に合わず死にました。
その次には警視庁特別捜査支援室の方にメッセージが届きました。今までは手掛かりとなる物が2つ入っていたのに、今回はペンが1つです。それは華岡が宅配便を受け取る時に使ったペンでした。その時の配達員こそ犯人だったのです。
華岡と達郎たちは容疑者の住所を特定して部屋に踏み込みましたが、もぬけの殻でした。でも部屋にはハンカチが2つ用意されており、そこからは華岡の元妻・片山恵美(板谷由夏さん)と由紀の匂いがしました。
手紙が無臭だったのは、リシノール酸亜鉛が振りかけられていたからでした。そのことが分かった華岡は、手紙にプロパノールの一種をかけました。それは溶剤の役目をして、時間はかかりますが、元の匂いを発することができるからです。それによって華岡たちは犯人の居場所を突き止めて駆けつけます。そこには恵美と由紀が監禁されていました。犯人はまたしてもどちらか一方しか救えない仕掛けを施していました。選択をしなければ両方に電流が流れて2人とも亡くなる装置です。
犯人はどうして二者択一にこだわったのでしょうか。それは犯人の生い立ちに関係がありそうです。犯人は一卵性双生児の弟で、対照的な兄がいました。兄は真面目な営業マン。周りから愛された人気者で家族仲もいい。ところが弟は一流大学を出ているのに、詐欺・暴力・クスリなど、サイコパスみたいにためらいもなく犯罪を重ねていました。自分の方が優秀なのに愛されず、兄に対してコンプレックスを抱いていたのです。
自分は選ばれた優秀な人間だから悪が許されるとし、弱者排除は社会を浄化するための必要悪だと言い放つ犯人。さらに人間には優劣があり、それを無感情で合理的に選択できる華岡は自分と同じであると称賛しました。でも実際は華岡は選択をしたわけではなく、匂いが分かりやすい方を優先しただけです。“自然淘汰”を主張する犯人に対して達郎が叫んだ「人間はな、みんな誰かの大切な人なんだ!」という言葉が印象的でした。でも犯人の心には届きませんでした。
最終的には華岡が配電盤の位置を匂いで嗅ぎとって目配せで知らせ、支援室の細井幸三(馬場徹さん)が配電盤を破壊しました。元の電源を落とすことに成功して恵美と由紀を電流の危険から救い出すことができたのです。
犯人は逃げ出して、由紀たちと同様に拉致していた兄になりすましましたが、支援室の早見友梨(高橋メアリージュンさん)が指輪の跡によってそれを見抜いて達郎に知らせました。それから達郎と友梨は犯人を無事逮捕しました。犯人は「弱肉強食は本音だろ。みんなの、日本人の…」と言って全然反省していません。
華岡のことを心配して娘・美里(水谷果穂さん)が現場に駆けつけてくれましたが、猫カフェから来たために、華岡は再び動物アレルギーの治療で耳鼻科医・由紀のお世話になることになりました。由紀は刑務所にいる夫とは逮捕される前から関係が冷え切っていて、近々正式に離婚する予定のようです。華岡と由紀の関係はうまくいきそうです。
その矢先、華岡と達郎の前に、お面をした怪しい人が現れて「鼻男…、私はおまえを知っている」と言います。それからお面を取り始め、華岡が大きく匂いを吸い込んだところで物語は幕を閉じました。スニッファー・華岡の活躍はまだまだ続くということでしょう。続編があることを期待します。