進撃の巨人 エンド オブ ザ ワールド

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映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』は、諫山創さんの漫画『進撃の巨人』を実写化した2部作の後編です。前編の『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』に引き続き、樋口真嗣監督がメガホンを取り、脚本は、町山智浩さんと渡辺雄介さんが共同担当しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想(ネタバレ注意)
100年以上ぶりに現れた巨人に多くの人間が捕食され、生き残ったエレン(三浦春馬さん)は調査兵団の一員として外壁修復作戦に参加。そんな中、巨人に襲われて捕食されかけるアルミン(本郷奏多さん)を辛うじて助け出したエレンは、代わりに巨人に飲み込まれてしまう。その直後、黒髪の巨人が出現し、他の巨人たちを駆逐。知性のある戦いを見せるその巨人は、なんとエレンだった。ソウダ(ピエール瀧さん)の指示で、力尽きた巨人の中からエレンが助け出された。
エレンが目を覚ますと拘束されていた。アルミンが必死に庇うが、クバル(國村隼さん)は、人間ではないとしてエレンを撃ち殺すよう兵士たちに指示。エレンを擁護するために巨人の仕組みを説明しようするソウダが先に撃ち殺されてしまう。そんな中、巨人が天井から突如として進入。クバルや兵士たちは瓦礫の下敷きになる。巨人はエレンを掴んでそのまま立ち去ってしまう。
残されたハンジ(石原さとみさん)、アルミン、サシャ(桜庭ななみさん)、サンナギ(松尾諭さん)、ジャン(三浦貴大さん)、ミカサ(水原希子さん)たちは、エレン・アルミン・ミカサの故郷である門前地区に向かうことにする。そこにある不発弾を使って壁を塞ごうと考えたのだ。
一方、意識を失っていたエレンが目を覚ますと、ジュークボックスのある謎の白い部屋にいた。そこへシキシマ(長谷川博己さん)が現れ、自分が巨人からエレンを助け出したと話す。それからこの白い部屋の用途、そして巨人が存在するこの世界のカラクリを説明し始めるのだった…。

冒頭で、エレンの父・グリシャ(草なぎ剛さん)が、幼いエレンに注射を打っている回想シーンがありました。それはまるで人体実験のようで、母・カルラ(緒川たまきさん)が怒りますが、グリシャは「大丈夫。上の子で実験済みだ」と言います。その場にはソウダもいて様子を見守っていました。そこへクバルたち中央政府の人が踏み込んできて、大量にあった書物類を取り上げて“特定知識保護法”違反でグリシャを逮捕。その出来事がエレンの巨人化、シキシマの正体と関係がありました。また、エレンとクバルの因縁めいた関係もこの時から始まっていたことになります。ソウダが巨人についてやけに詳しかったのも、グリシャと一緒に巨人の研究をしていたからなのでしょう。
そもそも巨人の正体は人間で、いわば人間が作り出した兵器だったようです。でもそれが爆発的に感染して広がり、多くの人間が巨人化。誰が巨人になるか分からない状況は戦争を生み出し、やがて破滅への道を進んだようです。巨人になれなかった人たちは壁の中に籠り、共同生活を送るために支配する者と支配される者に分かれ、現在の世界が形成されていったようです。時が経つにつれ、人々は壁の外への恐怖が薄れて、それに伴って支配する者(=政府)への忠誠心も薄れてきていました。しかも壁外調査まで大々的に行われようとしていて、そのタイミングでの超大型巨人の登場、外壁の破壊は、人々に巨人への恐怖を植え付けさせて統治するための政府の自作自演であるとシキシマは考えました。そんなシキシマは政府に反旗を翻そうと画策。それにエレンやミカサ、アルミンたちは巻き込まれていきます。
シキシマは内地の壁を壊して政府にも影響を及ぼそうと考えたのです。しかし、それでは普通の人たち(=支配される者)にも被害が及ぶとして、エレンたちはあくまでも外壁の穴を塞いで巨人の侵入を防ごうと考え、シキシマと対立。それはやがて巨人対巨人の戦いを招くこととなりました。特撮技術を駆使したその戦闘シーンは、迫力があって見応えがありました。前編でのエレンとジャンの喧嘩における飛び膝蹴りも生かされていてよくできていると思いました。
知識・科学・技術は人のいがみ合いや争いの元であるとして政府はこれらを法と権力で規制していましたが、自分たちはちゃっかり保持していたようです。結局、人を支配するための方便に過ぎなかったのでしょう。この世界の真実を知りたいエレンは、そんな政府がもたらす“天国の奴隷”よりも“地獄の自由”を選びました。その結果、ミカサと一緒に壁の外の世界の海を見ることができましたが、実は真の自由は得られていませんでした。エンドロール後に聞こえてくる支配者らしき人たちの会話が、理不尽さや虚しさを感じさせます。やはりどこまでいっても“家畜”からは逃れられないようです。