S-最後の警官- 最終回 (綾野剛さん)

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綾野剛さんは、TBS系列の日曜劇場枠にて放送されていた連続ドラマ『S -最後の警官-』に蘇我伊織 役で出演しました。
先日は最終回(第10話)が放送されました。
●あらすじと感想
日本の各界の有力者10名が拉致された誘拐テロ事件が起き、“M”こと正木圭吾(オダギリジョーさん)が犯行声明を出しました。事件の首謀者である正木は、実は元警察庁次長でNPS創設者の霧山六郎(近藤正臣さん)が制圧法を制定するためにあらかじめ用意した駒でした。政府・世論・そして警察組織全体がテロリストに対して断固たる対応を望む中、日本の最後の砦を担うのは被疑者の制圧を許されたSATなのだということを知らしめて、その力を見せつけるために事件を起こしたのです。そもそも霧山は凶悪犯に確保は通用しないという理念の持ち主です。確保を理想とするNPSがテロリストに完膚無きまでにやられて、警察力を飛躍させるための制圧法が必要であると周知させるためにNPSをつくったのです。霧山のシナリオでは、正木がいけにえであるNPSを殺して、正木自身も国のために命を捧げて亡くなるというものでした。そうすれば日本は、正義をなす者がいわれない批判にさらされることのない国、凶悪犯に対してすべての警察官がためらうことなく引き金を引くことができる国に変わると考えたのです。
NPSは、被疑者に犯した罪と向き合わせてきちんと償わせるために、あくまでも制圧ではなく確保にこだわります。そして、相手が国際テロリストの正木でも、NPSのやることは一つ、誰も死なせないということです。誘拐テロ事件の最中、東京中央フォーラムが占拠される事件まで発生し、NPSが対処することになりました。空調設備から催眠ガスをホール内に入れて、ホール内のテロリストと人質を両方眠らせて、その隙に潜入するという斬新かつ大胆な作戦が功を奏し、人質全員の救出に成功することができました。しかし、正木の巧妙な罠にはまり、NPSは自分たちの身に危険が迫ります。それもそのはず、正木たちの狙いは初めからNPSだったのです。
絶体絶命の危機に陥るNPSでしたが、SATが救援に駆けつけてくれました。SATは人質がいるであろう本丸の山荘で銃撃戦を繰り広げていましたが、蘇我伊織(綾野剛さん)が敵の動きに違和感を覚え、単なる時間稼ぎであることに気づきました。その報告を受けたSAT隊長・中丸文夫(高嶋政宏さん)が直ちに作戦を変更して、別働隊を動かしたのです。
それからSAT・NPS両隊で首謀者・正木を含む被疑者の確保に入りました。蘇我は正木に追いつめられますが、NPSの神御蔵一號(向井理さん)が正木に銃口を向けました。しかし一號は、射撃が下手だから撃ったら殺してしまうかもしれないと言って拳銃を地面に置いてしまいました。それから正木を挑発しつつ、拳銃を蹴って蘇我の元へ滑らし、一號と蘇我の見事な連携プレーで正木を確保しようとします。ところが、正木は隠し持っていた手榴弾を投げました。もう少しで正木を確保することができた一號ですが、ケガをして動けない蘇我に肩を貸して一緒に避難し、正木もその隙に逃げたようです。結果的に人質は全員解放、捜査員に犠牲者もなしで済みました。制圧法成立の計画が失敗に終わり、霧山にとっては不本意な結果となったわけです。ちなみに人質となった有力者10名は全員、霧山塾の制圧法制定に反対派の人たちでした。科学警察研究所主任研究員・横川秋(土屋アンナさん)が言うように、霧山には反対派の人たち自身に人質になる恐怖を味わわせるという意図もあったのでしょう。
一カ月後、正木の行方は依然としてわからず、霧山は正木が暴露すれば自身の破滅に繋がるので、そのことを憂慮しているようです。しかし、傍らにいる警察庁長官官房審議官・天城光(菅原大吉さん)は密かに不敵な笑みを浮かべました。何か企んでいるのでしょうか。
一號の母・花(朝加真由美さん)が切り盛りする定食屋「まんぷく食堂」では、延び延びになっていた林イルマ(新垣結衣さん)の歓迎会と、NPSへの出向が解けて再びSATに戻った蘇我の送別会の準備が進められていました。テロリストとの闘いで負傷して1カ月の入院生活を終えた一號は、幼馴染で恋人の棟方ゆづる(吹石一恵さん)に謝罪して「ただいま」と言って抱きしめました。すると、ゆづるも「おかえり」と言って抱き返すのでした…。

この国の行く末を憂いて事を起こした霧山ですが、やり方を間違えました。NPS隊長・香椎秀樹(大森南朋さん)は、制圧法を被疑者の命のハードルを下げる悪法と一刀両断しました。それに対して霧山は、凶悪犯の確保を目指すのは、現場の警察官の命のハードルを下げていると主張しました。どちらの言い分にも一理あると思わせるところが本作の面白さなのでしょう。凶悪犯を前にして、なんでもかんでも拳のみで解決しようとするのには無理があると思いますが、今後も一號の活躍が楽しみです。本作は映画化が決定していて、2015年に公開予定です。