るろうに剣心 伝説の最期編 (武井咲さん)

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映画『るろうに剣心 伝説の最期編』は、和月伸宏さんによる漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』を原作とした実写映画シリーズ第3作です。前作『るろうに剣心 京都大火編』の後編にあたります。
武井咲さんは、神谷薫 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
志々雄真実(藤原竜也さん)一派に連れ去られた神谷薫(武井咲さん)を助けるために、緋村剣心(佐藤健さん)が甲鉄艦・煉獄に乗り込むが、薫は海に落とされてしまう。薫を助けるために剣心も海に飛び込むものの、救出できないまま流されて意識を失ってしまう。
流木を拾いに来た比古清十郎(福山雅治さん)は、一人岸へ打ち上げられた剣心を見つけて助ける。3日間寝ていた剣心は、意識を取り戻して驚く。清十郎は剣心の師匠で、実に15年ぶりの再会だった。今の自分では志々雄を倒せないと悟った剣心は、志々雄を倒すために、飛天御剣流の奥義を教えてほしいと清十郎に懇願する。
一方、剣心が生きていると知った志々雄は、国を奪うよりもっと面白いことを思いついたと言う。それから伊藤博文(小澤征悦さん)たち政府の高官を交渉の席に呼びつけ、政府がこれまでやってきたことを非難し、「命が惜しければ、奴(=剣心)を探し出して、民衆の前でさらし首にしろ」と脅迫。政府は志々雄の要求に従って、剣心を人斬り時代の暗殺の罪で指名手配する。それを知った斎藤一(江口洋介さん)は「政府の高官たちは、武士の誇りを忘れたようだな」と言って怒りをあらわにするのだった…。
前作に引き続き、アクションシーンが圧巻でした。清十郎が剣心に奥義を教えるシーン、四乃森蒼紫(伊勢谷友介さん)と剣心の対決シーン、砂浜での斎藤を中心とする警官隊と志々雄一派の対決シーン、甲鉄艦・煉獄での相楽左之助(青木崇高さん)と悠久山安慈(丸山智己さん)の対決シーン、剣心と瀬田宗次郎(神木隆之介さん)の対決シーン、そして志々雄、剣心、斎藤、左之助、蒼紫が一同に戦うシーンなどが印象的でした。
カッコいいアクション、派手な立ち回りもさることながら、剣心の人間の心の部分が掘り下げて描かれているところもよかったです。清十郎は、剣心が子どもの頃に出会って、“剣心”という名前を与え、超一流の剣術使いとして鍛え育て上げた、剣心にとっては名付け親にして育ての親でもある存在です。そんな清十郎と対峙した剣心は、清十郎に心の中を見抜かれ、欠けているものが見出せないままでは志々雄に勝つことはできず、もし勝てたとしても己の心の中に棲みついた人斬りには打ち勝つことができないと言われてしまいます。清十郎との死闘の末に剣心が見つけ出した答えは、シンプルかつ重要なことでした。別れ際に清十郎が剣心に言った「生きようとする意志は、何よりも強い」という言葉が印象的でした。
精鋭部隊である“十本刀”の扱いが中途半端だったり、1対4の対決は志々雄の凄さが感じられたものの剣心たちが卑怯に見えなくもなかったり、甲鉄艦・煉獄に簡単に乗り込めたりと、いろいろ突っ込みどころもありましたが、様々な人の思いが交錯する人間ドラマも描かれていて興味深かったです。
第1作と同じくラストは神谷道場のシーンでした。剣心が薫にある言葉を言ったところで物語の幕は閉じるのですが、2人が新しい時代を共に生きていく希望の未来が感じられてよかったです。