るろうに剣心 (佐藤健さん)

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映画『るろうに剣心』は、和月伸宏さんの漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』を実写化した作品です。監督は、テレビドラマ『ハゲタカ』『龍馬伝』などの演出を手掛けた大友啓史さんが務めています。
佐藤健さんは、主人公・緋村剣心 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
幕末の動乱期に倒幕派最強の暗殺者と恐れられ、“人斬り抜刀斎”と呼ばれた志士がいた。戦場にて修羅さながらに人を斬っていたその男(佐藤健さん)は、動乱の終結と共に刀を捨て、人々の前から姿を消した。
それから明治になって10年。東京では神谷活心流を騙って辻斬りを繰り返している自称“人斬り抜刀斎”が町を脅かしていた。亡き父の遺志を継ぎ、神谷活心流の剣術道場を構えている神谷薫(武井咲さん)は、流派の威信を守るために町の見回りをしていた。そんな中、薫は、頬に十字傷があり、刀を持ち歩く怪しげな剣客(佐藤健さん)と出会う。薫はその男が辻斬りであると思って襲いかかるが、彼は自分を“流浪人(るろうに)”であると言い、持っていたのは人を斬ることのできない逆刃刀だった。
その後、本物の辻斬りと遭遇してピンチに陥る薫だが、すんでのところで流浪人こと緋村剣心に助けられる。辻斬りの正体は“人斬り抜刀斎”ではなく、実業家・武田観柳(香川照之さん)に雇われている鵜堂刃衛(吉川晃司さん)だった。観柳は女医の高荷恵(蒼井優さん)に作らせたアヘンで莫大な金を得ていて、さらにアヘンを送り出す港を作るため、神谷道場一帯の土地に目を付けていたのである。元新選組三番隊組長で現在は明治政府の警官である藤田五郎こと斎藤一(江口洋介さん)が観柳の悪事を嗅ぎつけていたが、証拠をつかめず手を出せずにいた。そんな折、薫の神谷道場に観柳の手下たちが押し入るのだった…。
恐怖と暴力が支配した時代は終わったはずの明治。でも、人間の本質は変わらないままでした。観柳の「人間とは弱いものだ。口では理想を語りたがるが、結局は三つのものの前では獣と同じ。自分のため、金のため、そして快楽のため」というセリフが印象的でした。
本作の見どころはやはりアクションシーンでしょう。殺陣がすごい迫力でした。特にスピード感がよく表現されていて目が釘付けになりました。剣心の感情の流れがアクションで表現されている点も見事だと思いました。
不殺(ころさず)の誓いをたてた剣心は、斬れない刀で大切な人たちを守ろうと奮闘します。本作では人斬りの贖罪の原点ともいえるシーンが登場しますが、それが剣心の「助ける価値のない命など無い」というセリフや「人を斬ればまた恨みが生まれる。恨みはまた人を斬らせる。その恨みを断つのがこの斬れない刀の役目でござる」というセリフに繋がっていて感慨深かったです。
佐藤さんは、鬼気迫る抜刀斎と優しくほんわかした剣心という二面性を見事に演じ分けていました。
時間の都合上、原作と比べるとエピソードが端折られていたり、登場人物の掘り下げが浅いのは仕方のないことでしょう。それよりも漫画やアニメとは違った生身のアクションの凄さに注目した方が楽しめると思います。続編が実現しましたら是非観たいです。