ロボジー (ROBO-G)

robo-g

映画『ロボジー』(ROBO-G)は、『ハッピーフライト』以来約3年ぶりとなる矢口史靖監督の最新作です。
主演はミッキー・カーチス改め五十嵐信次郎さん。共演は吉高由里子さん、濱田岳さんら多彩な顔ぶれです。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
家電メーカー「木村電器」のいわば窓際社員である小林弘樹(濱田岳さん)、太田浩次(川合正悟さん)、長井信也(川島潤哉さん)の3人は、ワンマン社長・木村宗佑(小野武彦さん)から二足歩行ロボットの開発を命じられていた。それは、近日行われるロボット博での企業広告が目的だ。しかし、ロボット博まであと1週間というところで、制作途中のロボット“ニュー潮風”が窓から落ちて大破してしまう。
慌てた3人は、ロボットの中に人間が入って演じることにより窮地をしのごうと考えた。自分たちでは体型が合わないため、ロボットの外装にぴったり収まる人を募集することにする。着ぐるみショーのバイトのオーディションを装って、最終的に選出したのは73歳の老人・鈴木重光(五十嵐信次郎さん)だ。ところが、彼がまた一癖ある人物で、ロボットおたくの大学生・佐々木葉子(吉高由里子さん)も絡んで、大変な事態を招くことになるのだった…。
今回も矢口監督オリジナル脚本です。ロボットの中に入ることになった老人と彼を取り巻く人々が織り成す人間模様がユーモアたっぷりに描かれています。
頑固で偏屈なおじいさんや風変わりな女子大生の心の変化、一時しのぎの嘘が想定外の波紋を呼んで後戻りできなくなってしまう3人組の右往左往する様子などが面白かったです。また、鈴木重光からは独り暮らしの高齢者の孤独、図らずも嘘の上塗りをする羽目になる社員たちからはサラリーマンの悲哀、ひいては企業の隠ぺいなどといった社会問題も浮かび上がってきます。まあ、そんな深読みはせずに、単純に痛快ドタバタコメディとして楽しんだ方がいいかもしれません。
伏線の張り方、物語のキーとなる場面の重ね方も見事で感心しました。
主演でロック歌手でもある五十嵐さんを含むユニット“五十嵐信次郎とシルバー人材センター”による主題歌「MR.ROBOTO」(スティクスのカヴァー曲)も印象的でした。