リテイク 最終回 (成海璃子さん)

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成海璃子さんは、フジテレビ系列の毎週土曜深夜の「オトナの土ドラ」枠にて放送されていた連続ドラマ『リテイク 時をかける想い』に那須野薫 役で出演しました。
先日は最終回(第8話)が放送されました。
●導入部のあらすじと感想(ネタバレ注意)
坪井信彦(笠原秀幸さん)が、戸籍監理課の職員の新谷真治(筒井道隆さん)と那須野薫(成海璃子さん)の目の前で銀行強盗犯によって刺殺されてしまう。さらに犯人は、坪井が持っていた未来の出来事が書かれた本を奪って行ってしまった。
薫は坪井から聞いたという犯人に関するこれからの出来事を話す。新谷はその話に従って犯人の逃走先のテレビ局に向かう。それから危険な目に遭いながらも、なんとか本を取り戻すことに成功する。さらに薫の情報のおかげで、テロ行為をほう助した男もテレビ局で逮捕された。
ただ新谷は、坪井から聞いた様子もなかったのに、事件の事を事前に知っていたかのような薫の言動に違和感を抱いていた。
坪井は無縁仏として共同墓地に入ることとなった。浮かばれないと話す薫に、新谷はそんなことはないと言う。人の役に立ちたくて事件が起こる銀行に行って、結果的に警備員を助けて家族を最大の悲しみから救ったのだから坪井は立派だったと話す。しかし薫は、警備員もいつか亡くなるのだから、悲しい出来事を一時的に先延ばしにしただけであって、リテイクはむなしい行為なのだと反論して立ち去ってしまう。
翌朝、新谷が職場に到着するや否や、パート職員のパウエルまさ子(浅野温子さん)が血相を変えて駆け寄って来た。新谷のデスクの上に薫の“退職願”があって、しかも電話も通じないとのこと。自分のことを何一つ話していなかった薫。何かあると感じ取った新谷とまさ子が薫のマンションへ行くと、やはり薫の姿はなかった。部屋にはほとんど物がなくて殺風景で、洋服タンスには白い服が残されているのだった…。
薫は未来人でしかも新谷の実の娘でした。薫のリテイクの目的は、新谷を救うためでした。2014年に新谷は大きな列車事故に巻き込まれて死ぬ運命にありました。リテイクしてきた薫が踏切の緊急停止ボタンを押して事故そのものは防ぐことができましたが、新谷は停車した列車から地下鉄に乗り換えたことで別の事件に巻き込まれました。痴漢騒ぎです。新谷は命を助かった代わりにたくさんのものを失うこととなったわけです。薫は自分がやったことが無意味で、もう一度あんなに辛い瞬間を迎えるのかと思うと怖くて、自分の存在意義さえ見失っていました。そんな薫に新谷はこの1年半、自分やまさ子と一緒にいた日々がどうだったかを訊ね、自分は楽しかったと伝えました。それからこの1年半で自分が学んだこと、感じたことを伝え、それは“那須野薫”もう一人の娘のおかげであるとし、これからは2人の娘にとってもう少しましな父親になると宣言しました。その後に新谷が薫を抱きしめて「今からは一緒に同じ時間を生きよう」と言う場面が感動的でした。
物語は、タイムマシンの開発者・牟田義弘(浅野和之さん)が自分の家族の運命を変えようと未来から来て、新谷と薫がそれを阻止しようとするところで幕を閉じました。その際に新谷が牟田に言った「誰にでもやり直したい辛い過去はありますよね。でもそれは乗り越えなければ駄目なんです。人生にリテイクはない。人はやり直せない今を全力で生きるからこそ輝くんです」という言葉も印象的でした。