プリンセス トヨトミ

  • 2011年6月1日
  • 映画
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映画『プリンセス トヨトミ』は、万城目学さんの直木賞候補にもなった小説『プリンセス・トヨトミ』を映画化した作品です。
本日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
7月8日、突如として大阪で一切の営業活動、商業活動が停止した。物語はそこから4日前にさかのぼる。
会計検査院の調査官である松平元(堤真一さん)、鳥居忠子(綾瀬はるかさん)、旭ゲーンズブール(岡田将生さん)の3人が、府庁など団体の実地調査のため東京から大阪にやって来た。順調に調査を進める中、松平はあることがきっかけで、財団法人OJO(大阪城址整備機構)に不審な点を感じる。しかし、徹底的に調査するものの決定的な証拠はつかめない。諦めようとしたその時、松平は偶然「秀頼の抜け道」といわれる扉を目にして、財団法人OJOのビルのロビーにあった鍵付きのドアに注目するに至るのだった…。
脚本、監督、プロデューサーなどが、同じ万城目さん原作でドラマ化された『鹿男あをによし』と同じスタッフで制作されています。そのおかげか同ドラマに出演していた玉木宏さんと宅間孝行さんが本作にカメオ出演しています。ちなみに原作でも両作品は一部世界観を共有していて、宅間さんがドラマで演じた女学館剣道部顧問の南場勇三は、小説「プリンセス・トヨトミ」にもわずかながら登場します。
さて、本作ですが、原作では男性だった鳥居を女性に、女性だった旭を男性に変更しています。ドラマ『鹿男あをによし』では、原作では男性だった藤原君を女性に変更していました。鳥居は、ドラマの藤原君の時のように綾瀬はるかさんが演じていて、いい味を出していました。
物語はあまり深く考えずに観るのが吉です。突っ込みどころは多々ありますし、疑問も残ります。でも歴史を絡めた発想や、テーマの1つに父と息子の絆を扱っているところも面白いです。登場人物の名前が戦国時代、安土桃山時代の武将の名前になぞらえたものが多いのも、歴史好きの人には楽しめる要素でしょう。結末は正直あっけなく感じましたが、松平の父子関係や松平の先祖と豊臣家の関わりにまでつながる構成はよくできていると思いました。時間の都合上、原作にあった空堀中学校の出来事などが大幅に削られているのは仕方ないとして、欲を言えば、もう少し全体的にテンポをよくして、音楽ももっとメリハリがあった方がよかったように感じました。