侠飯 おとこめし 最終回 (柄本時生さん)

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柄本時生さんは、テレビ東京系列の毎週金曜深夜の「ドラマ24」枠にて放送されていた連続ドラマ『侠飯~おとこめし~』に若水良太 役で出演しました。
先日は最終回(第10話)が放送されました。
●あらすじと感想
塩之谷洋介(戸塚純貴さん)は、若水良太(柄本時生さん)に内緒で興信所の甘利文彦(津田寛治さん)に依頼して、柳刃竜一(生瀬勝久さん)と火野丈治(三浦誠己さん)のことを探らせていた。その結果、彼らの正体が柳刃組の暴力団員で襲撃の実行犯として警察と山盛組から追われていることを知る。
良太はいよいよ内定がもらえそうな段階にまで来ていた。食事時に柳刃が話した言葉を胸に就活に挑んだおかげだった。上機嫌の良太は、家を出る前に柳刃に晩御飯の材料は何を買ってくるかと尋ねるが、「必要ない。今夜は食べない」と言われてしまう。良太が不満を漏らすと、火野に怒られて仕方なくそのまま大学へ向かう。
良太が大学に着くと、友人の結城春菜(内田理央さん)と洋介の様子がおかしい。それは洋介が春菜に柳刃たちの正体が暴力団員であると教えたからだ。そのことを問い詰められた良太は、本当だと認める。警察に行って全部事情を話すよう洋介から言われるが、命の恩人だから今度は自分が助けるとし、あの人たちが悪い人だとはどうしても思えないと熱く語る。
しかしそんな中、甘利が柳刃たちのことを警察にばらしてしまったらしい。洋介からそのことを聞いた良太は、それを知らせるために柳刃たちのもとに走って向かうのだった…。
柳刃と火野の本当の正体は、警視庁組織犯罪対策部の潜入捜査官でした。任務は山盛組の麻薬ルートの全容解明と組長の逮捕で、そのために柳刃組という架空の組を作り、暴力団員を装って山盛組と接触しました。ようやく内部事情がつかめた矢先に正体がバレそうになり、それで薬の元締めである若頭を拉致して麻薬ルートを吐かせようとしましたが、拉致の最中に良太が通りかかって作戦が失敗してしまったのです。不幸中の幸いで良太の部屋から山盛組の組事務所が一望できて見張るのに最適であることが判明し、そこで柳刃の独断で良太の部屋に身を潜めながら組長の帰りを待つ作戦に切り替えたのです。時々出かけていたのも作戦で、警視庁捜査本部と連携を取りながら山盛組の動向を探るために動いていました。柳刃と火野がいない時には、神棚に仕込んだ監視カメラで録画していました。山盛ぐらいの大物となると警察にも内通者がいる可能性があったので、潜入捜査は警察でも一部の人間しか知らず、良太にもあえて知らせなかったとのこと。
監視の甲斐あって山盛組組長・山盛哲司(渡辺哲さん)を逮捕し、無事任務は完了しました。良太は最後に柳刃と火野にご飯を振る舞いました。白いご飯にネギの味噌汁と沢庵漬けといういたってシンプルなものです。でも米の研ぎ方や味噌汁のだしの取り方など、柳刃に教わった作り方を実践して美味しく出来上がっていました。良太は柳刃のおかげで食べ物の大切さが分かったのです。柳刃に「うまいぞ」と言われた良太は涙を流しました。すると柳刃は「食えんかったら、これで流し込め」と言ってご飯に日本酒を注ぎました。それは“別れの盃”でした。良太は涙をこらえながらそれを掻き込んで「男の味ですね」と言いました。3人はきれいに平らげて「ごちそうさまでした」と手を合わせて言いました。その礼儀も柳刃から教わったものです。
それから春になり、良太は広告会社に無事就職していました。入社式などなく初日からいきなり仕事で、クライアントと打ち合わせをしてコピーも考えてチラシのラフも作るという働きぶりです。それを聞いた春菜は「たくましくなった」と褒めます。しかもどうやら良太に想いを寄せているようです。でも告白しようとしたところで洋介が来てしまい、言わずじまいです。
それから良太、春菜、洋介の3人は“初出社祝い”という名目で飲みに行くこととなりました。楽しそうに3人がおしゃべりをしながら通り過ぎた道の傍らにはカレーの移動販売車が停まっていて、なんとそこには火野そして柳刃の姿がありました。そこが新しい潜入先のようです。柳刃が包丁を出して「飯にするか」とおなじみのセリフを言ったところで物語は幕を閉じました。
料理のちょっとした知識が得られたり、良太の成長物語になっていて面白かったです。