無痛 最終回 (伊藤英明さん)

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伊藤英明さんは、フジテレビ系列の毎週水曜夜10時枠にて放送されていた連続ドラマ『無痛~診える眼~』に白神陽児 役で出演しました。
一昨日は最終回(第10話)が放送されました。
●あらすじと感想
石川一家惨殺事件は、やはり白神陽児(伊藤英明さん)がイバラ(中村蒼さん)を利用して起こしたものでした。イバラに薬を飲ませて石川家のことを悪い人たちと吹き込んで殺させたのです。動機は、今は亡き弟・怜児の復讐でした。石川の妻は結婚前に怜児と交際していましたが、怜児を捨てて石川と結婚。失恋した怜児はネパールへ行って自ら遭難して命を絶ちました。怜児が脳死状態になり、心臓に疾患を抱えていた白神は、すぐに現地で医師を探して怜児の心臓を移植してもらいました。診察眼の確かな怜児と一体になったことで白神はさらに強くなったと言います。そして怜児を自殺に追いやった報復として、飛び切り理不尽な死を与えるために子どもたちまで殺すという一家殺害に及んだのです。
白神が無痛治療にとらわれていたのは、為頼英介(西島秀俊さん)の言うように、弟・怜児が亡くなったという痛みから解放されたいという思いが強かったからなのでしょうか。それとも怜児への贖罪の気持ちからでしょうか。いずれにせよ、白神は負い目のような感情を抱いていました。
早瀬順一郎(伊藤淳史さん)は、白神の一家殺害の動機を聞いて怒りをあらわにし、白神に銃口を向けます。白神は動揺することなく、早瀬がまさに自分を殺そうとしている行為と自分が怜児の心臓でのうのうと生きていることも同じだとして「人間は醜い」と断じました。それに対して為頼は「否定する気はない。人間は醜い! だが諦めるつもりもない。俺は人間であることに絶望したくない。恨みも憎しみも痛みも悲しみも乗り越えていけるのが人間だと思いたい。悪意を向けられれば、報復せずに断ち切りたい。無理かもしれない。でも死ぬまでそう思い続けるのが人間だと思いたい。俺は妻を失った苦しみを一生抱えて生きていく。痛みは私だ。そうだ。それが生きていくということなんだ。妻は人の最期というものを俺に見せてくれた。決して美しいものじゃない。つらく醜いものだ。だが、そこから目をそらしてはいけないんだ。なぜなら、人とはそのような生き物だから。痛みは、人が生きているという証しだから。目をそらせば、人というものを否定することになる」と力説しました。
そんな中、川に転落して行方不明になっていたイバラが白神たちの前に現れます。白神を睨みつけるその顔には“犯因症”が出ていました。イバラは為頼にお礼を言って、白神に飛びつきながら窓を突き破って一緒に身投げをしました。恐らく白神にもイバラの犯因症は見えていたのでしょう。白神は、あえてイバラが懐に飛び込んでくるのを受け入れたように見えました。
後日、イバラと白神が落ちた場所には、花を手向けて手を合わせる南サトミ(浜辺美波さん)と高島菜見子(石橋杏奈さん)の姿がありました。為頼は、診療所をしばらくの間休診にして、旅に出ることにします。その前に早瀬と会った為頼は、犯因症は一生治ることはないであろうこと、早瀬の犯因症は自分自身にも向けられていて、それは他人に殺意を向けるよりも重くつらく痛いことを説明しました。早瀬はそれでも刑事を続けることを宣言しました。為頼は、励ますようにそんな早瀬の肩に強く手を置き、それから無言で立ち去っていきました。その後、為頼の姿は、とあるローカル線の車内にありました。母親があやすものの泣き止まない赤ん坊がいて、為頼は微笑ましくそれを眺めた後、静かに目を閉じるのでした…。

痛みは本人のみならず付き添い看取る者に忘れがたい苦痛を与えるがゆえに、薬によって家族の苦痛を少しでも和らげることができたら…と言っていた白神の言葉は本心でしょう。それだけに間違った方向に走ってしまったのは残念でした。
為頼が痛みについて話していた言葉も印象的でした。私も痛みから目をそらさずに生きていきたいと思いました。