ミッション:8ミニッツ (ジェイク・ギレンホール)

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映画『ミッション:8ミニッツ』(Source Code)は、『月に囚われた男』のダンカン・ジョーンズ監督の長編第2作となるSFサスペンスです。
主演は『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』のジェイク・ギレンホールです。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
コルター・スティーヴンス大尉(ジェイク・ギレンホール)は、アフガンで任務についていたはずなのに、気づくと突然列車にいて、向かいに座っている見知らぬ女性であるクリスティーナ・ウォーレン(ミシェル・モナハン)から親しげに話しかけられる。どうやらウォーレンは自分のことをショーンという男性だと思っているらしい。状況がつかめないスティーヴンスは、さらに自分の姿が別人になっていることを知ってますます混乱する。様子がおかしいとウォーレンに心配される中、スティーヴンスたちは爆発に巻き込まれる。
目を覚ますとスティーヴンスは奇妙なカプセルの中で拘束されていた。スティーヴンスは、モニター越しのコリーン・グッドウィン(ヴェラ・ファーミガ)とラトリッジ博士(ジェフリー・ライト)の説明により、自分は今、ある任務を遂行中だということをようやく理解する。それは、シカゴで乗客が全員死亡した列車爆破テロの犯人を見つけ出すという任務だ。実は先ほどスティーヴンスが巻き込まれた爆発事故がそれで、スティーヴンスは量子力学に基づく物理科学の力で、爆破犠牲者の1人であるショーンが死亡する8分前の意識に入り込んでいたのだ。
同一犯による第2の爆破テロを防ぐためには早急に犯人を突き止めなければならない。スティーヴンスは再び爆破犠牲者の記憶に基づく世界へと転送されるのだった…。
死者には絶命直前の8分間の記憶が残存していて、その意識から過去の世界を擬似的に再現することができる特殊な装置が存在するというSF的な設定が前提となっています。あくまでもタイムスリップではなく、作り出された過去の世界に転送されているという点がポイントとなってきます。
スティーヴンスはいわば他者の身体に入り込んで、犯人を突き止めるべく何度も8分間の任務を繰り返します。そんな中、彼の中である疑惑が膨らんでいくのです。
ネタバレになるので多くは語りませんが、結末は希望のあるものでした。“パラレルワールド”に対する理解が浅かったり、考えすぎたりしてしまうと消化不良に感じるかもしれません。私は藤子・F・不二雄先生のSF短編漫画などで“パラレルワールド”に慣れ親しんでいたので、あの結末は納得しましたし、大いに楽しめました。
「あと1分間しか生きられないとしたら君は何をする?」とのスティーヴンスの質問に、ウォーレンが「私なら意味のある1分間にする」と答えていたのが印象的でした。いつ死んでも悔いの無いような人生を送りたいものです。