図書館戦争 (岡田准一さん & 榮倉奈々さん)

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映画『図書館戦争』は、有川浩さんによる同名小説を映画化した作品です。『GANTZ』シリーズで有名な佐藤信介監督がメガホンを取っています。
V6の岡田准一さんは堂上篤 役で、榮倉奈々さんは笠原郁 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
1988年、人権を侵害する表現や公序良俗を乱す表現を規制する法律「メディア良化法」が制定される。法の施行に伴いメディアへの監視権を持つ「メディア良化委員会」が発足。不適切とされたあらゆる創作物は、やがてその執行機関である「メディア良化隊」による取り締まりを受けることとなり、この執行が妨害される際には武力行使さえ正当化される事態となる。
それに対し、図書館法に則る公共図書館は「図書館の自由に関する宣言」を元に「図書館の自由法」を制定。あくまでも本と自由を守るべく、やがて自ら武装した「図書隊」による防衛制度を確立する。これ以降、良化隊と図書隊との永きに渡る抗争に突入した。
2019年(正化31年)、新人隊員・笠原郁(榮倉奈々さん)は女性として初めての図書特殊部隊(ライブラリー・タスクフォース)に配属された。笠原は高校生の時、自分と本を守ってくれた図書隊員を“王子様”と憧れて入隊したのだ。そんな彼女を待ち受けていたのは、担当教官・堂上篤(岡田准一さん)による鬼のようなしごきの日々だった。
“王子様”とは正反対の堂上だが、普段は厳しく突き放しながらも、時折優しさを見せる。それに触れ、笠原は次第に堂上の存在が気になっていく。
そんなある日、小田原にある情報歴史図書館が閉館されることになり、そこに所蔵されている全資料を関東図書隊が引き取ることになった。その資料には、「メディア良化法」成立時の不正の真実が記されているものもあるらしい。かくして、史実を封じるために妨害するメディア良化委員会側とそれを阻止しようとする図書隊の全面戦争が始まるのだった…。

ラブコメあり、アクションあり、社会的メッセージありで見どころ満載でした。
本を狩られる痛みには誰より敏感で、明朗快活で真っ直ぐな性格の笠原。笠原と同様「考える前に動く」タイプの人間でしたが、過去の経験や反省から現在は常識や正論を重視し、理性でものを考えるやや堅物の堂上。堂上とは同期で、“王子様”の正体を知っていて堂上をからかう小牧幹久(田中圭さん)。笠原とは同期で、几帳面で努力家ですが、完璧主義で融通が利かないエリートの手塚光(福士蒼汰さん)。笠原とは同期でルームメイトで親友であり、冷静で頭の回転が速く情報通の柴崎麻子(栗山千明さん)など、魅力的なキャラクターが登場します。
架空の世界を描いている本作ですが、リアリティのある映像に仕上がっていました。陸上自衛隊、航空自衛隊の全面協力を得て、入間基地や熊谷基地などで特別に撮影が行われたそうです。さらに全国各地の実際の図書館でもロケを敢行。冒頭の銃撃戦は、昨年6月に閉館した山梨県立図書館に5万冊もの本を運び込んで行ったそうです。本作での全発砲数は約1万発、積んだ土嚢は5千個にも及ぶそうです。
良化隊は殺す気で撃ってきますが、図書隊は足元を狙う威嚇射撃のみで、しかも図書館敷地内でしか銃の使用は認められていません。防衛に徹して“守るために戦う”を貫く図書隊は、なんだか自衛隊とイメージが重なっていろいろと考えさせられました。
検閲銃撃の危険性が高まり、民間人を避難させる際、民間人の一人が「たかが戦争ごっこだろ」と言い放つ場面が印象的でした。この“たかが”が非常に恐ろしい事態を招くことを本作は物語っています。そもそもの発端は「メディア良化法」が制定されたことにより始まりました。当時の人々は無関心で、思想を規制されることの本当の意味を理解できていなかったのです。本作冒頭に“本を焼く国は、いずれ人を焼く”という言葉が出てきますが、本作を観終わる頃には、その言葉の深さを実感することになると思います。本作では“本”を、“歴史”・“思想”・“真実”といった言葉に置き換えて話す場面があります。これまた非常に深く、いろいろと考えさせられます。
原作の文庫版『図書館戦争』シリーズで作者の有川さんと対談されていた児玉清さんが稲嶺和市 役で写真出演しています。なんだか感慨深かったです。それは有川さんの思いをくんでのことで、映画では稲嶺の遺志を継ぐ新たな人物として基地司令・仁科巌(石坂浩二さん)が登場します。
原作ではシリーズとしてまだ続きがありますので、映画でも続編を実現してほしいものです。