臨床犯罪学者 火村英生の推理 最終回 (窪田正孝さん)

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窪田正孝さんは、日本テレビ系列の毎週日曜夜10時30分から放送されていた連続ドラマ『臨床犯罪学者 火村英生の推理』に有栖川有栖 役で出演しました。
昨日は最終回(第10話)が放送されました。
●あらすじと感想
火村英生(斎藤工さん)は不気味な手紙を受け取ります。それには「ターゲットは、火村英生に一番近い女」というメッセージとともに貴島朱美(山本美月さん)、篠宮時絵(夏木マリさん)、小野希(優香さん)の写真が添えられていて、それらの写真の顔は全部塗りつぶされていました。その送り主は、シャングリラ十字軍の指導者・諸星沙奈江(長谷川京子さん)のようです。警察は朱美たち3人を保護します。
そんな中、火村が下宿に帰ると諸星が待っていました。諸星は、人を殺したいという願望を叶えさせてあげるとして、火村にあるゲームを持ちかけます。それは3つのグラスのワインのいずれかに、一人分の致死量となる猛毒トリカブトが入っていて、それぞれグラスを選んでワインを飲むというものです。諸星は確率を錯覚させる巧妙な罠を仕掛け、互いの命を懸けたいわば“ロジカル・デスゲーム”となっていました。論理的に確率を上げることができても100%ではないことから、火村はやむを得ず自ら相打ちになる方法を選びました。諸星が目を離したわずか数秒の間に、3つグラスのワインを1つにまとめてから3等分に戻したのです。そうすればどれを取っても一人分の致死量の3分の1を服毒することになり、自分が助かる確率は最も高いというわけです。その結果、2人ともワインを飲んで倒れましたが、死には至りませんでした。
火村は病院に運ばれて助かり、諸星も搬送中に意識を取り戻して警察に組織の内通者がいたことから逃亡に成功。諸星から「天魔渓谷で待つ」とのメッセージを受け取った火村は、真の友・有栖川有栖(窪田正孝さん)宛てで「ひとりで決着をつける」というメッセージを残して病院を抜け出しました。渓谷に向かう火村は、宿敵モリアーティー教授と対峙した時にシャーロックホームズが言った「おまえを破滅させられるなら、喜んでこの身の破滅を受け入れる」という言葉と同じような心境のようです。それを悟った有栖川は、無力感に打ちひしがれます。
崖の上で、諸星は火村に拳銃を渡し、さらにもう1丁拳銃を取り出して銃口を火村に向けて、自分のことを殺すよう迫ります。火村は「この犯罪は美しくない」と呟き、拳銃の撃鉄を起こしました。次の瞬間、乾いた銃声が2発、鳴り響きました。有栖川たちが現場に駆け付けた時には、2人の姿はありませんでした。有栖川は悲痛な表情を浮かべながら滝壺に向かって「火村!!」と叫びました。
その後、有栖川は、火村の死という非情な現実を受け入れて、前に進むために下宿先で黙々と小説を書き続けていました。そこへ彼の顔をほころばせる訪問者が現れます。顔は映し出されませんでしたが、服装から察するにどうやらそれは火村のようです。テレビドラマとしてはここで物語は幕を閉じますが、終わりのない物語はこれからも続いていくようです。
ミステリー要素もさることながら、火村と有栖川の関係性が面白かったです。火村がホームズとワトソンの関係を引き合いに出して自分と有栖川の関係を訊いた際に、有栖川が答えた「同じボートの同乗者や。おまえはいつも鋼のような精神力でまっすぐボートを漕ぐ。せやけど時々おまえを見ていると、ボートの底を自ら斧で叩き割るようなまねしそうで不安になる。せやから俺は、同じボートに乗って、おまえを見張ってるんや」というセリフが印象的でした。
本作のアナザーストーリー(another story)として新作エピソードが、動画配信サービス「Hulu」にて3週連続(3月20日~、3月27日~、4月3日~)で配信されます。内容は、火村と有栖川の学生時代のエピソードや地下アイドル殺人事件のようです。