秘密 THE TOP SECRET (生田斗真さん)

ikuta10
映画『秘密 THE TOP SECRET』は、清水玲子さんの漫画を実写化した作品です。『るろうに剣心』シリーズなどの大友啓史監督がメガホンを取っています。
生田斗真さんは薪剛 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想(ネタバレ注意)
最先端の科学技術を駆使して死者の脳内をスキャンして、脳に残った記憶を映像化し、それをもとに迷宮入りした事件を捜査する特別捜査機関である特殊脳内捜査チーム、通称“第九”。室長を務める薪剛(生田斗真さん)のもとに、新人捜査官の青木一行(岡田将生さん)が配属された。
そんな中、家族3人を殺して死刑になった脳科学者・露口浩一(椎名桔平さん)の脳をスキャンして、長女・絹子(織田梨沙さん)の死体を捜し出すという任務が第九に与えられる。ところが事件当日の露口の記憶の映像には、なんと刃物を振り上げる絹子の姿が映っていた。その後絹子から刃物を渡された露口は、殺された家族3人の脳をつぶした。MRI捜査で絹子の犯行がばれるのを恐れてやったようだ。
薪はすぐさま事件の再捜査を提案するが、諮問委員会は再捜査は不可という判断を下す。真犯人の存在を認めると検察の信頼が失墜するからだ。脳スキャン映像は法的証拠にはならない上に、第九は検察の傘下であるがゆえに、たとえ証拠が見つかっても公開することはできない。そこで薪は、露口を逮捕した刑事・眞鍋駿介(大森南朋さん)を捜査に引き入れる。
第九が眞鍋とともに捜査を続ける中、事態は急変する。絹子が発見され、父親の犯行のショックから記憶喪失になっているというのだ。一方、眞鍋は、絹子と関係のあった男を突き止めて訪ねる。しかし、その男は眞鍋の目の前に落ちてきて転落死する。やがて全国各地で同時刻に9人の自殺があったことが判明する。謎を追ううちに、9人の共通点が見つかり、さらにかつて日本を震撼させた28人連続殺人事件の犯人・貝沼清孝(吉川晃司さん)との関わりが浮上するのだった…。

薪は貝沼の脳を見た唯一の現役の捜査員でした。28人を次々と殺害し、留置所内で自ら命を絶った貝沼。その脳を見た捜査員5人のうち、3人は死亡し、1人は精神に支障をきたし入院しました。見た者の精神を狂わせてさらに死に至らしめるほどの貝沼の脳。その記憶映像を最後まで見たのは、薪と一緒に第九を立ち上げた捜査官であり、薪の親友で最大の理解者だった鈴木克洋(松坂桃李さん)でした。薪が心に抱えている闇はまさにその鈴木関連のことであり、その鈴木が命と引き換えにしてまで守ろうとした秘密こそ、いわゆる貝沼事件の核心の部分でした。それは薪を愛しているといっても過言ではない鈴木が、薪に絶対に知られたくないことでした。それで鈴木は貝沼の脳とデータをすべて破壊し、いわば貝沼の脳データが完全に移管されている状態である自分の脳を自ら破壊しようとしたのです。結局それはできませんでした。そのおかげで最終的には意を決した薪が、生前の鈴木の恋人であり薪とは古くからの友人である監察医・三好雪子(栗山千明さん)の協力を得て、保存されていた鈴木の脳をスキャンすることによって、その秘密が明かされました。それは、貝沼の異常な思考回路に基づく惨殺行為の引き金を結果的に薪が引いてしまったという事実でした。
薪が絹子に対して言った「この世界は、おまえや貝沼のいう憎しみばかりに満ち溢れているわけじゃない」という言葉が印象的でした。薪は、鈴木の脳をスキャンすることにより、鈴木が薪を守ろうとして隠した貝沼事件の核心の部分を知ることとなりショックを受けますが、鈴木の死の間際の映像に救われました。死の間際、脳は脳内麻薬を分泌して死の苦痛を和らげ、走馬灯で家族や友人たちが次々と現れ、最後に必ずしも現実ではなく自分が一番幸せな記憶が映し出されるとのこと。薪は、鈴木の一番幸せな記憶を見たことにより希望を見出して、絹子に前述のようなことを言ったのでしょう。絹子の事件で心身ともに深手を負った青木も、薪から渡されたある記憶映像を見て救われたようです。薪や青木が希望を見出したそれぞれの映像が、必ずしも現実の出来事ではなく、脳の持ち主が作り出したかもしれない一番幸せな記憶というのがなんともすっきりしない感じではありますが、私も先入観を捨てて「美しい世界(=人生)は、きっとすぐそこにある」と信じて生きていきたいと思いました。