泣くな、はらちゃん (薬師丸ひろ子さん)

yakushimaruhiroko

薬師丸ひろ子さんは、日本テレビ系列にて毎週土曜夜9時から放送されている連続ドラマ『泣くな、はらちゃん』に矢口百合子 役で出演しています。
一昨日は第9話が放送されました。
●あらすじと感想
過去を気に病んで町を去ろうとする矢口百合子(薬師丸ひろ子さん)。越前さん(麻生久美子さん)とはらちゃん(長瀬智也さん)たちは彼女を引き止めます。ユキ姉(奥貫薫さん)も「あなたには私たちを作り出した責任があるのよ。神様の神様なんだから。逃げないでよ。ちゃんと見届けなさいよ!私たちのこと」と言って百合子を許しました。
テレビを通して戦争をはじめとする現実世界の悲しい出来事を知ったはらちゃんたちですが、「神様だって、自分の世界を悪く言われたら嫌じゃないですか」ということで、黙っていることにしました。しかし、サッカーボールで遊んでいたはらちゃんたちは、柄の悪い男たちにボールをぶつけてしまい、現実世界の暗い面を目の当たりにすることになります。柄の悪い男たちが「金をよこせ」と言ってきて、挙句の果てにははらちゃんたちに激しい暴力を振るってきたのです。止めに入った越前さんまでもが殴られる姿を見たはらちゃんは、強い憤りを覚えて男たちを激しく殴りつけます。越前さんは「こんな世界でごめんなさい」と、泣いてはらちゃんを止めました。
肉体的にも精神的にも傷ついた漫画の世界の住人たち。あっくん(清水優さん)は自分の世界に帰りたいと言い、笑いおじさん(甲本雅裕さん)、たまちゃん(光石研さん)、マキヒロ(賀来賢人さん)、ユキ姉までもが賛同。はらちゃんは泣きながら答えに窮します。それを見かねた越前さんは、ノートの封を解いて、「はらちゃん、私たちは両想いです。ほら、泣くな、はらちゃん」と言ってノートを開き、彼らを漫画の世界に帰しました。
その晩、越前さんは、はらちゃんたちが帰ったことを母・秀子(白石加代子さん)と弟・ひろし(菅田将暉さん)に告げ、不甲斐ない自分を謝罪して一家団欒を楽しんだ後、「おやすみなさい」と告げて悲しげな表情で部屋に戻ります。それから、はらちゃんたちの前に自分が現れるという漫画を描いてそのノートを閉じ、祈るように再びノートを開きました。何かを察して心配した百合子が越前さんの家に駆けつけましたが、時すでに遅し。越前さんは現実世界から消えて漫画の世界に行ってしまっていました。事情の知らない秀子は、漫画の最後のコマの越前さんの表情がイイ笑顔だとのん気に喜んでいます。
越前さんは漫画の世界で「はらちゃん、ずっと一緒に居ましょうね」と言ってはらちゃんに微笑みかけ、はらちゃんも「はい!」と笑顔で答えるのでした…。
警官(小松和重さん)が百合子に話した「まあ、小さいから平和でいられるのかもしれないけどね。世界は大きくなり過ぎなんだよ、きっと」というセリフが印象的でした。
平和な面ばかりではない現実世界を受け止めることができなかったのは、漫画の世界の住人たちだけではなく、実は越前さんも一緒でした。
今回のラストで、陽気に歌うはらちゃんの目から流れた涙は何を意味したのでしょうか。単なるうれし涙ではないのではなかろうかと深読みしてしまいました。