真夏の方程式 (福山雅治さん & 吉高由里子さん)

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映画『真夏の方程式』は、東野圭吾さんの小説が原作のテレビドラマ『ガリレオ』シリーズの劇場版第2弾です。
前作の映画『容疑者Xの献身』に続いて西谷弘監督がメガホンを取っています。
福山雅治さんは湯川学 役で、吉高由里子さんは岸谷美砂 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
1998年冬。元ホステスの三宅伸子(西田尚美さん)が何者かに刺し殺されるという事件が起きる。知人男性の仙波英俊(白竜さん)が容疑者として身柄を確保され、その後実刑判決を受けて服役する。
それから15年後の2013年夏。両親の都合で一人、親戚が経営する旅館で過ごすことになった少年・柄崎恭平(山崎光さん)は、玻璃ヶ浦へ向かう電車の中で帝都大学物理学准教授・湯川学(福山雅治さん)と出会う。湯川は海底鉱物資源開発の説明会にアドバイザーとして出席するために玻璃ヶ浦へ来たのだ。手つかずの美しい海が残る玻璃ヶ浦では海底資源の開発計画が持ち上がり、開発を推進したい企業側と環境保護グループとの間で意見が衝突し、町を二分する騒ぎになっていた。説明会において、環境保護グループの中で特に意見を主張していたのは川畑成実(杏さん)だ。そんな成実は、意見が一方的であると湯川から冷静にたしなめられる。
湯川の宿泊先は偶然にも恭平の親戚で、成実の母・節子(風吹ジュンさん)と父・重治(前田吟さん)が営む旅館「緑岩荘」だった。緑岩荘にはもう一人、塚原正次(塩見三省さん)が宿泊していたが、翌朝、岩場で死んでいるのが発見された。県警は現場検証を行い、堤防から誤って転落した事故死の線が濃厚であるとしていた。
同じ頃、草薙俊平(北村一輝さん)は上司である多々良管理官(永島敏行さん)から直々に特命の捜査を依頼される。実は被害者の塚原は元警視庁捜査一課所属の刑事で、多々良にとっては恩になったことがある先輩だった。多々良は、尊敬する先輩・塚原が酔っ払って堤防から落ちたという県警の見立てに疑問を抱いたのだ。草薙はすぐに後輩刑事・岸谷美砂(吉高由里子さん)を呼び出し、おまえにしかできない非公式な任務があると伝える。その矢先、司法解剖の結果、塚原は一酸化炭素中毒で死んだことが判明し、どこかで殺害された後に、岩場に遺棄された可能性が高くなってくるのだった…。

本作は前作の映画『容疑者Xの献身』の路線をいわば踏襲していて、テレビドラマではお馴染みの、湯川が唐突に数式を書いて推理を整理するシーンはありません。子ども嫌いなはずの湯川と少年との交流が物語の軸になっていて、ある人物の人生が捻じ曲げられることを危惧した湯川が、珍しく自ら進んで真相の究明に挑んでいきます。
鍵を握るのは、冒頭に出てきた15年前の三宅伸子殺人事件でした。旅館の家族は全員秘密を抱えていると気づいた湯川は、哀しき“謎”の方程式を解いてしまいます。その後に彼が選択した行動が意外でした。
事件の真相もさることながら、湯川と少年・恭平との交流も見どころの1つでしょう。湯川は理科嫌いの恭平に科学を好きになってもらおうと、ある実験テストを何度も繰り返します。その光景は少年の心に良い思い出として刻まれたようで、ラストで恭平が電車の中でそれを思い出しながら呟くシーンが印象的でした。
湯川は成実に「全てを知った上で自分の進むべき道を決めるべきだ」と説きます。最初は“科学技術と自然の共存”についての意見でしたが、やがて成実の人生そのものの道標にもなっていくところが凄いと思いました。
今回扱われた2つの事件は、大切な人を守る為にそれぞれが犯した罪でした。みんなから愛されて守られている成実は、自分にはそんな資格はないと言いますが、湯川は今度は成実が恭平を守る義務があると説きます。恭平の将来を案じた湯川は、さらに恭平にも直に会い、自分が一緒に同じ問題を考え悩み続けることを伝え、「忘れるな。君は一人じゃない」と言いました。テレビシリーズとは違った湯川の人間的な一面が見れて興味深かったです。