009 RE:CYBORG (フランソワーズ・アルヌール)

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映画『009 RE:CYBORG』は、石ノ森章太郎氏のSF漫画『サイボーグ009』を、設定を現代に置き換えて新たなシナリオで描かれたアニメーション作品です。
脚本・監督を務めたのは、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』シリーズや『東のエデン』などで知られる神山健治氏です。
高品質のアニメーションで国内外にファンを持つProduction I.Gと、日本の3DCGIアニメーションの最先端を走るプロフェッショナル集団・サンジゲンが共同制作を務めています。
昨日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
かつて世界の危機を救ってきた9人のサイボーグ戦士たちは、その役目を終え、各々の故国へと帰ってそれぞれの人生を送っていた。
そんな中、各国で超高層ビルを狙った同時多発爆破のテロ事件が発生する。何の犯行声明も明らかにされない状態が続き、世界の人々は次第にパニックに陥っていく。
その頃、009こと島村ジョーは、東京で高校生として暮らしていた。実はギルモア博士によって30年間近く、過去の記憶が消されたまま3年に一度記憶をリセットされ、高校3年間を繰り返していたのだ。
ギルモア博士は、世界の危機を救うためにゼロゼロナンバーサイボーグたちに再集結を呼びかける。003ことフランソワーズ・アルヌールと、005ことジェロニモ・ジュニアは、ジョーの記憶を呼び覚ますために動き始めるのだった…。
なんといっても映像表現が素晴らしかったです。全編に3DCGを使っているそうですが、キャラクターなどにセルアニメの質感があって、CG作品にありがちな違和感がありませんでした。そうかといってCGの利点を損なっているわけではありません。例えば、ジョーの特殊能力である“加速装置”の表現は3DCGならではの効果が出ていて見応えがありました。
物語の構成は原作漫画の「地下帝国ヨミ編」に近いものを感じました。テーマは原作漫画の「天使編」や「神々との闘い編」を彷彿とさせ、哲学的な雰囲気が漂っていました。
メッセージ性が高いのはいいのですが、それに引っ張られてエンターテインメント性が弱くなっているように感じられたのが残念でした。とはいえ、002ことジェット・リンクを取り巻くアメリカ国家安全保障局やサムエル・キャピタル社の動向、ジェットとジョーの確執、フランソワーズのお色気、サイボーグ戦士たちのアクションなど、楽しめる要素は多くありました。
物語のキーとも言える“彼の声”の正体や物語の結末は、解釈が必要で観る者に委ねるという感じなので賛否両論あるところでしょう。ただ、人類共通の正義というものが果たしてあるのか、現代における正義とは何か、といったことを考えさせられるという点においては、国家ごとに正義があり、個人にも正義があるという今の時代だからこそ、とても意義があると思いました。
なにはともあれ、自らを犠牲にして“誰がために”戦うサイボーグ戦士が見れてよかったです。

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