チャッピー (CHAPPIE)

chappie
映画『チャッピー』は、『第9地区』『エリジウム』のニール・ブロムカンプが監督と脚本を務めています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
南アフリカ共和国のヨハネスブルグでは、殺人や暴行事件が頻発していた。そんな腐敗を終焉させるため、軍事企業テトラバール社のロボット警官隊が導入される。
ロボット警官隊は目覚ましい活躍を見せ、その開発者であるディオン・ウィルソン(デーヴ・パテール)は、同僚のヴィンセント・ムーア(ヒュー・ジャックマン)から妬まれ恨まれる。ムーアが開発する、人間の脳波で操作する巨大ロボットは必要とされず、その結果、予算が削られてコスト削減を会社から要求されていたからだ。
ロボット警官は単純に人間の命令に従うというものだったが、ディオンは人間の脳を凌駕する人工知能のソフトウェアを個人的に開発。折しもロボット警官22号(声・モーションキャプチャ:シャールト・コプリー)が任務中に修復不能の故障に見舞われて廃棄処分が決定となり、そのロボットにソフトウェアをインストールすればコストがかからずにテストができるとディオンは考えた。しかし、ロボット開発の責任者のミシェル・ブラッドリー(シガニー・ウィーバー)はその提案を却下する。
どうしても諦めきれないディオンは、ロボットのソフトウェアをアップデートするために必要なカードキーと22号を無断で持ち出して、自宅で密かに試すことを企てる。ところがその運搬途中、ニンジャ(ニンジャ)やヨーランディ(ヨーランディ・ヴィッサー)らギャングに襲われて拉致される。ニンジャたちの目的は、強盗する際に邪魔となるであろうロボット警官を停止させるためのリモコンの入手だ。彼らのアジトに連れて行かれたディオンは、そんなリモコンは無いと説明するが納得してもらえない。自分たちの味方になるようプログラムし直せと命じられたディオンは、仕方なくその場で22号に人工知能のソフトウェアをインストールする。
起動したばかりの22号は、まるで赤ん坊のような反応を示す。ヨーランディは22号を“チャッピー”と名付けて可愛がるが、ニンジャは犯罪行為に利用するために殺人のやり方を教えようとする。チャッピーは、加速度的に成長して様々な知識を吸収していくのだった…。

人工知能が搭載されたチャッピーですが、最初から人間以上の知能を持ち合わせているわけではありません。子どもの段階から学習することによって加速度的に成長します。ギャングに育てられて粗暴になっていくチャッピーを見て、“環境”や“教育”の大切さを感じずにはいられませんでした。創造者であるディオンとの“犯罪はしない”という約束を曲がりなりにも守ろうとするチャッピーがまたなんだか健気。しかしニンジャは、そんなチャッピーを言葉巧みに騙して犯罪に利用します。
人間と同じように感情を持つチャッピーは、やがて自身の寿命を知り、なぜ死ぬように作ったのかとディオンを責めます。ディオンはチャッピーがそんなことを考えられるまでに成長するとは想像していなかったのです。
愚かな人間たちに振り回されるチャッピーは、人間と同じように自身の死を恐れ、生き続ける方法を探して奔走します。人間の嘘に傷つけられながらも、結局は育ての親、生みの親たちを助けようとするチャッピー。子どもは親を選べないということでしょうか。変な言い方ですが、人間以上に人間らしいと思いました。
話の入口は、やはり『ピノッキオ』や『フランケンシュタイン』を連想させます。その上でのあの結末は意外なものと言えるでしょう。
色々突っ込みどころはあるものの、チャッピーが成長していく過程やアクションシーン、ブロムカンプ監督独特のSF感などが楽しめました。若干詰め込み過ぎで、ノリも軽く、せっかくのテーマが薄まっているように感じられましたが、エンターテインメント性を重視して意図的にそうしたのでしょう。
ラストでチャッピーが言った「僕たちは“黒い羊”だね」というセリフも印象的でした。