ビブリア古書堂の事件手帖 最終回 (剛力彩芽さん & 安田成美さん)

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フジテレビ系列にて毎週月曜夜9時から放送されていた連続ドラマ『ビブリア古書堂の事件手帖』は先日、最終回(第10話)を迎えました。
剛力彩芽さんは篠川栞子 役で、安田成美さんは栞子の母・智恵子 役で出演しました。
●あらすじと感想
篠川栞子(剛力彩芽さん)のもとに舞い込んだ車椅子の来城慶子(高樹澪さん)と妹・邦代(松田美由紀さん)の依頼。それは、事故死した鹿山明(須永慶さん)の別邸洋館にある巨大な金庫の暗号を解いてほしいというものでした。一方、栞子の母で、10年ほど前から失踪中の智恵子(安田成美さん)はその金庫の中身を狙っていて、鹿山の息子・義彦(名高達男さん)といわば手を組んでいて、栞子と対立するかのような立場で栞子の前に姿を現しました。
紆余曲折がありながらも、栞子は、五浦大輔(AKIRAさん)の助け舟もあって遂に暗号を解読しました。金庫の中身は江戸川乱歩の直筆原稿である「押絵と旅する男」の第一稿であると予想していた智恵子もちょうど同じ頃、暗号の解読をひらめいたようです。
金庫の開錠に立ち会った栞子は、慶子と邦代の入れ替わりに気が付き、事情を問い詰めます。鹿山の愛人である慶子は、実は邦代を名乗っていた方で、慶子を名乗っていたのは妹の邦代でした。病を患った人の頼み事だったら鹿山家も断りづらいだろうという慶子(松田美由紀さん)の計算で入れ替わっていたのです。金庫の中身の原稿は、推理作家を目指していた鹿山が恋人・慶子のために書き上げた自作の小説で、乱歩の直筆原稿を模した偽物でした。後日、智恵子と対面した栞子は、勝ち誇るようにそのことを説明。しかし、智恵子は更なる推論を論理的に展開し、鹿山が父親から引き継いだ乱歩の直筆原稿はもともと断片で、その足りない部分を補う形で鹿山が小説を書き上げた、いわば、本物と偽物の物語の融合だったことを見抜いて明かしました。栞子と大輔が慶子から見せてもらった数枚の原稿は、鹿山が書いた偽物の部分だったのです。慶子と邦代の入れ替わりに気が付き、本物の慶子が原稿を持って逃げることはすでに予想がついていたと話す智恵子。それを分かっていながら、智恵子がせっかく手に入れた鍵をあえて渡したのは、慶子の足取りを追うことはさほど難しいことではなく、それなら小説を読む時間ぐらいあげてもいいと思ってのことでした。希少な本を入手するためなら手段を選ばない性格の母・智恵子を嫌っていた栞子は、それを知って驚きます。さらに智恵子は、自分の子どもだから大丈夫という確信のもと家を出ていき、人生のすべてを賭ける覚悟がなければ絶対に手に入れることのできないほどに貴重なある古書を10年間探し続けていたことを明かしました。それから智恵子は、その本がどんな本なのか私と一緒に来ればわかると話し、今のあなたなら自分の気持ちが分かるはずだと栞子に同意を求めます。栞子もまた、なぜあの時、智恵子が自分たちをおいて家を出ることを選んだのか、その生き方が今なら少しだけ理解できるような気がするとし、だから自分は智恵子を止めないと言いました。乱歩の直筆原稿を手に入れたら、自分はそのまま日本を出ると説明する智恵子は、慶子の行き先を栞子もわかっていることを見越し、もしその気になったら追いかけてくるよう言い残して去っていきました。
母親のことを追いかけて栞子も出ていってしまうのではないかと思った大輔は、慶子の行き先のヒントが書かれているであろう乱歩の短編小説「押絵と旅する男」を読もうとします。しかし、活字を見ると体調が悪くなる「活字恐怖症」とでもいうべき症状は改善されておらず苦心します。
翌日、大輔は恐る恐る「ビブリア古書堂」に行き、栞子の姿を見つけて安心します。顔色が悪いのではないかと心配そうに栞子に尋ねられ、大輔は昨夜「押絵と旅する男」を読んだが5ページで挫折してしまったことを明かしました。それを聞いた栞子は嬉しそうな表情を浮かべます。それから2人は笑顔で見つめ合い、いつものように栞子は大輔に小説のあらすじを話し始めるのでした…。
個人的に最後まで智恵子に対する悪いイメージは変わりませんでした。被害者ともいえる栞子は、自身も母親と似た部分があるためか、その生き方を一応認めて和解したようなので、それはそれでよかったです。
原作は未読なので、改変した部分なのかどうかは分かりませんが、突っ込みどころが結構多かったのが残念です。でも、謎を解くことによって人情話が浮き彫りになるところは面白かったですし、本に関する雑学も興味深かったです。藤子不二雄ファンなので、第7話で足塚不二雄の『UTOPIA 最後の世界大戦』を扱ってくれたのも嬉しかったです。

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