悪夢ちゃん 最終回 (木村真那月さん)

kimuramanatsu

木村真那月さんは、日本テレビ系列にて毎週土曜夜9時から放送されていた連続ドラマ『悪夢ちゃん』に悪夢ちゃんこと古藤結衣子 役で出演しました。
昨日は最終回(第11話)が放送されました。
●あらすじと感想
武戸井彩未(北川景子さん)が志岐貴(GACKTさん)を殺めてしまったと勘違いして意識を失った古藤結衣子(木村真那月さん)。結衣子が目を覚まさない原因は医者にも分からないとのこと。結衣子の祖父・万之介(小日向文世さん)によると、結衣子は“意識”の世界を捨てて“無意識”の世界に行ってしまったらしい。このまま眠り続けると現実にいる結衣子の身体は滅びてしまう。しかし、そんな状態でも結衣子は予知夢を見ているのだった…。
結衣子の夢札をきっかけに、彩未はある事実を突き止めました。それは、シスターマリカ(藤村志保さん)が前の施設長を殺したということです。前の施設長は人身売買を行なう闇の組織とかかわっていて、シスターマリカがそのことに気づいた時にはもう手遅れで、止めることができないと悟ったシスターマリカは、施設を守るために施設長を殺したのです。施設長の遺体はブランコの下に埋めましたが、組織の人間にそれを気づかれていて、組織は闇のサイトにそのブランコのマークを使ってシスターマリカに脅しをかけてきました。施設の子どもたちを守るためにシスターマリカは組織が起こした誘拐事件に協力。ブランコの跡地に聖堂を建てて神に祈ってきたシスターマリカは、いつか彩未がそれを突き止めてやって来ることを悟っていたようです。彩未が施設にいた幼少期に、夢で見たことを描いた絵が現実の世界でも実際に起きていて、シスターマリカは彩未のことを“天使”のように思っていたからです。彩未に白状して、彩未を見送ってから警察に行くと言っていたシスターマリカですが、彩未を聖堂から出した後にすぐさまドアに鍵をかけて、聖堂に火を放って自ら命を絶とうとします。でも彩未は、あらかじめ準備していた鍵でドアを開け、すかさずシスターマリカを救い出しました。そして、待機していた平島琴葉(優香さん)と山里峰樹(和田正人さん)があらかじめ用意していた消火器で火を消し止めました。悪夢ちゃんこと結衣子の夢札で、そうなることは知っていたのです。
夢獣の正体も明かされました。幼少期に結衣子の母・菜実子と友達だった彩未。菜実子は「ユメノスケ」という名前の犬を飼っていましたが、その犬と離れるのを泣いて嫌がった彩未に、菜実子が「彩未ちゃんの家族」と言って描いてくれた絵が夢獣だったのです。彩未や結衣子の夢に出てくる夢獣は亡くなった菜実子で、無意識の世界で2人をずっと見守ってくれていたようです。
幼少期の彩未に接触して夢研究をしていた過去がある万之介。万之介は彩未にその幼少期の彩未の、ある夢札を見せました。それはなんと、教師である彩未が、学芸会の出し物をどうするかクラスのみんなに尋ねていて、菜実子の娘・結衣子がミュージカルをやりたいと言って下手な歌を披露しているというものでした。万之介は彩未に「君は“楽な羊飼い”になりたくて教師になったわけじゃない。無意識に教師の道を選んでいたんだ。遠い昔、君が見た夢の通りに。そこで結衣子と出会う未来も決まっていたんだ」と言いました。その幼少期に彩未から結衣子のいる未来に自分がこの世にはいないと聞かされていた菜実子。実際、菜実子は高校生になって自分が病気になった時に、もう長くは生きられないことを悟りました。そしてその前に結衣子を産む決心をしたのです。菜実子は、父・万之介に結衣子をちゃんと育てて彩未に会わせて彩未の昔の記憶を思い出させることを託し、自身の小学生の頃の担任・甘澤龍子(キムラ緑子さん)に“武戸井彩未”という名の自分の一番の親友が必ず良い小学校の先生になるから見守ってほしいとお願いしました。その時は意味が分からなかった甘澤ですが、何年かして“武戸井彩未”の名を見つけ、自分が校長に就任した時に教育委員会に頼み込んで自分の学校に赴任させてもらったそうです。甘澤校長が彩未のことを特別に気にかけているように見えた理由が分かってすっきりしました。
彩未は自分の明晰夢の中に結衣子を連れ出して、結衣子の悪夢にこれまで出てきた人たちの明るい未来を見せ、「みんなあなたの夢に影響を受けたかもしれない。だけどそこから先は自分で歩いて自分の力で未来を変えていく人だっている。その人間の未来は、その人にしか創れないものなのよ。だからあなたは何にも恐れることなんかない。悪夢ちゃんは悪夢ちゃんのままで未来を創っていけばいいのよ。私が受け止めてあげるから、どんな悪い夢でもちゃんと受け止めてあげるから。だから安心して現実に戻っておいで」と言って、夢王子(GACKTさん)と夢獣の力も借りて結衣子を現実の世界に引き戻しました。その後に彩未が結衣子に言った「人間の未来は、それはいいことばっかりじゃない。悪夢も多い。だけど、いつだって私たちが思い描く未来は、夢なのか現実なのか、自分が行ってみるまでは分からない。どんなに悪い現実の中でも人はいい夢を見ることができる。だから、恐れず一緒に生きていこうね。悪夢ちゃん」というセリフも印象的でした。
現実に戻った結衣子がクラスみんなに温かく迎えられて、そしてついに披露された5年2組のミュージカル「私たちの夢、そして未来」。やはり、結衣子の歌は下手でした。彩未が幼少期に見た予知夢は当たったのです。
ラストでは、結衣子が意識を失っていた時に夢で自分の父親に会ったという場所に、結衣子と彩未が偶然か必然か一緒にやって来ました。はっきりと顔は見ていないがあれは絶対に自分の父親であったと確信する結衣子と、それも予知夢なのかしらと不思議がる彩未の前に、ある男性が歩み寄ってきます。その顔はもう少しで見えそうなところでドラマは終わってしまいましたが、きっと志岐貴でしょう。志岐の遺体は見つかっていないということでしたので、実は生きていたということでしょう。志岐は結衣子の母・菜実子が入院中に撮られた病室の写真にも写っていました。
すべての謎が明らかにされ、すっきりした最終回でした。話も斬新でしたし、主題歌であり、5年2組のミュージカルでも歌われた、ももいろクローバーZ「サラバ、愛しき悲しみたちよ」も作品に彩りを添えていてよかったです。