Mother 最終回

matsuyukiyasuko ashidamana
日本テレビ系列にて毎週水曜夜10時に放送されていた連続ドラマ『Mother』は、今週、最終回(第11話)を迎えました。
●あらすじと感想
児童養護施設の人に見つかって、継美=怜南(芦田愛菜さん)は慌てて電話を切って、天気予報を聞いていたとごまかした。継美と会いたい気持ちと葛藤する鈴原奈緒(松雪泰子さん)だが、望月葉菜(田中裕子さん)の命が残りわずかだと知り、葉菜を理髪店に連れて帰ることにする。そこへなんと室蘭の施設にいるはずの継美が現れる。もらったお小遣いで施設には内緒で1人で来てしまったのだ。再会を喜び合う3人だが、藤吉駿輔(山本耕史さん)の情報によると、怜南の捜索願が出されていて、一緒にいられるのはあと1日が限界らしい。鈴原籐子(高畑淳子さん)、芽衣(酒井若菜さん)、果歩(倉科カナさん)たちも訪れて、ガールズトークで盛り上がり、みんなで記念写真を撮る。継美と奈緒は葉菜に髪を切り揃えてもらう。奈緒は、幼い頃に同じように髪を切ってもらった時の母・葉菜の顔を思い出す。
翌朝、葉菜は目を覚ますことはなかった。なくなる命もあれば、生まれる命もある。時を同じくして芽衣は男の子を産んだ。
奈緒が30年の時を経てまた母・葉菜に会えたように、継美が大人になったら、継美と奈緒もまた会える。奈緒は継美を説得して室蘭の施設まで一緒に行くことにする。奈緒と継美は母娘の絆を確認し合って別れる。その際、奈緒は継美に20歳になったら読んでと手紙を渡した。別れを覚悟した奈緒は、前の晩に20歳になった継美に宛てて書いていたのだ。
最後には、大人になった継美らしき女性と奈緒らしき女性が、手を取り合い再会を喜んでいるような場面が映し出されるのだった…。
葉菜が夫の殺害で懲役15年の実刑判決を受けた事件は、幼かった奈緒が、暴力を振るう父親から母・葉菜を助けるために火を放ったというのが真相だったようです。葉菜は奈緒にそのことを忘れるように話し、2人は半年間逃亡して、葉菜が自ら奈緒の罪をかぶって逮捕されたようです。奈緒は葉菜の言いつけ通り最後までそのことを思い出すことがなかったようですが、葉菜にとってはそれが不幸中の幸いということなのでしょうか。いわば母と娘の絆が起こした母性による事件なので、男性である私には理解の範疇を超えたものなのかもしれません。
手紙には、継美のおかげで最後の最後に実の母・葉菜を愛することができたことや、幼い頃に手を取り合って歩いた思い出が道しるべとなって自分と継美を導き、めぐりあうことができること、20歳の継美と再び出会う季節が自分にとってこれから開ける宝箱であることなどが書かれてあり、最後に「愛しています 母より」という言葉で締めくくられていました。追伸の「クリームソーダは飲み物ですよ」は、2人が出会った頃に、継美が「食べ物の中でクリームソーダが1番好きなの」と言っていたことに対する返しですね。懐かしいです。
そういえば、葉菜のことを気にかけていたご老人(高橋昌也さん)は、葉菜の事件の取調べを担当した刑事でした。その元刑事が「人間には男と女とそれにもう1種類、母親というのがいる。これは我々には分からんよ」と事件を調べる藤吉に言っていたのが印象的でした。
本作にはほとんど“父親”が登場しませんでした。その方がメインテーマである母性を描きやすかったというのもあるかもしれませんし、もしかしたらその裏に別のテーマも隠されていたのかもしれません。
エンドロール後のシーンは、奈緒の想像とも取れますし、実際に2人が未来で再会した場面とも取れます。個人的な願望としては、2人にはもっと早い段階で再会してほしいと思ってしまいました。