JIN-仁- 最終回 (中谷美紀さん)

nakatanimiki04

中谷美紀さんは、TBS系列にて毎週日曜夜9時から放送されていた日曜劇場『JIN-仁-』に野風と友永未来の2役で出演しました。
一昨日は第11話(最終回)が放送されました。
●あらすじと感想
崖から落ちて行方不明だった坂本龍馬(内野聖陽さん)は、漁師の家でお世話になっていたようです。
恋人・友永未来(中谷美紀さん)のためにいわば野風(中谷美紀さん)を見殺しにすることを、緒方洪庵(武田鉄矢さん)のお墓の前で南方仁(大沢たかおさん)は懺悔します。それを密かに聞いていた龍馬は、勝海舟(小日向文世さん)に例え話として相談して、どちらを取っても後悔が残るなら、誰かに決めてもらったり、運を天に任すのも手だというアドバイスをもらい、あることを実行します。それは、自分のために野風の手術をしてほしいと仁にお願いすることでした。自分の迷いや痛みすら背負ってくれようとしている龍馬の心意気に胸を打たれた仁は、火事の一件で仁の良き理解者となった火消し「を組」の親分・新門辰五郎(中村敦夫さん)に最終的な判断を仰ぎました。仁が例え話をして相談すると、辰五郎はその時結果的に命を失った最愛の人が、そうなることを知っていたら、どう判断したであろうかを話しました。それはまさに恋人・未来にも当てはまる話で、自分のことよりも、助かる可能性のある患者を優先させるであろう恋人・未来のことを思い浮かべ、仁は野風の手術をする決心をしました。未来に姿も心もそっくりな野風も、医学の研鑽の役に立つのであれば、癌の再発や転移の可能性があってもいいと手術を承諾しました。そのことにより、野風の身請け話も消えてしまいました。
一方、仁とともに野風を診察した藩医・三隅俊斉(深水三章さん)は、身請けするはずだった殿様から野風の乳癌を見抜けなかったことを責められ、仁への恨みを募らせ、手術を失敗させるよう画策。手術当日、三隅に金をもらった武士たちが、殿様に恥をかかせた女郎を捕まえるという名目で手術の邪魔をしに来ました。そこへ現れたのが、結納を取りかわしているはずの橘咲(綾瀬はるかさん)です。仁のことが気になってしかたがない咲は、結納を断って駆けつけたのです。咲を逃がすために、結納の相手の前で咲を突き飛ばし、思いっきり罵倒して自害を迫る演技までした兄・恭太郎(小出恵介さん)がカッコよかったです。咲は身を挺して手術室への侵入を防ぎ、手術を終えた仁が、本当に殿様の指示かと問うと、武士たちは退散していきました。
仁と未来が写っていた写真は、写真そのものが消えてしまいました。単に未来であの写真を撮った瞬間が消滅してしまったということなのか、仁と未来が出会うという未来そのものがなくなってしまったということなのか、仁も未来も生まれない未来になってしまったということなのかは分かりません。でも、未来が塾の講師になっているようなシーンが最後の方に出てきました。仁と咲の間に入り込む余地がないと悟った野風は、隙をついて仁にキスをして、咲に仁を託して2人のもとを離れ、手習いの塾を始めました。それが子孫にも繋がって塾の講師になるのかもしれません。
結局、仁は未来に戻ることを諦め、目の前の人生を懸命に生きることにしたようです。自分の手術によって植物状態になってしまった恋人・未来のために現実に苛まれ、殻の中に閉じこもってしまっていた仁が、もう一度、人生を歩き出したのです。
正直に申し上げますと、胎児型の腫瘍、謎の患者、平成22年の十円硬貨など、さまざまな謎が放置されたままの印象で、すっきりした最終回ではありませんでした。確かに、原作が連載中の漫画で、まだ完結していないという都合もあるのかもしれません。仁の恋人・友永未来というドラマオリジナルの登場人物をいかした終わり方だったので、ドラマなりの完結とも言えます。でも、どうせなら謎に関してもオリジナルの話を作って解決してほしかったというのが本音です。
なにはともあれ、登場人物みんながとても魅力的で見応えのある作品でした。
謎が解かれていないので、続編を期待させる終わり方でしたが、今のところ、続編の予定はないようです。映画での完結は望みませんが、スペシャルドラマで続編をやって欲しいと思いました。