おっぱいバレー (綾瀬はるかさん)

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綾瀬はるかさんは、現在公開中の映画『おっぱいバレー』に寺嶋美香子 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
1979年、新任教師・寺嶋美香子(綾瀬はるかさん)は臨時教師として戸畑第三中学校に赴任してくる。彼女は前の学校で問題になったある出来事で生徒からの信頼を失い、教師としての自信を失いかけていた。
新しい学校に赴任して心機一転、張り切る美香子は、教頭(光石研さん)から男子バレーボール部の顧問の話をもらい引き受ける。ところが、部員はやる気が無く、バレーボールすらまともに触ったことが無い人たちばかり。しかも女の子のことしか頭に無く、Hな妄想にふけり馬鹿なことばかりして、周りからは「馬鹿部」呼ばわりされていた。
そんな部員たちを奮起させようと美香子は「あなたたちが頑張るなら、先生何でもするから」と言ってしまう。すると部員たちは「試合に勝ったら先生のおっぱいを見せてください」と言い出す。美香子は最初は断るが、前の学校でのある出来事がトラウマになっていて、部員たちの「先生の嘘つき」という言葉に反応して嫌々ながらも約束してしまう。
それからというもの、部員たちは今までとは打って変わって別人のように張り切って練習に励む。美香子もバレーの練習法を勉強するなど部員たちの熱意に応え、信頼関係を築いていく。そして失いかけていた教師としての自信も次第に取り戻していくが、「おっぱいは見せたくないが、試合に勝って生徒達に勝つ喜びを教えてあげたい」という複雑な思いを抱えるようになる。
そして、試合を間近に控えたある日、“おっぱいの約束”が学校に知られて大問題となるのだった…。
原作は、脚本家でもある水野宗徳さんの青春小説で、水野さんがラジオの構成作家をしていた時代に、男子バレーボール部の顧問をしている女性の先生から聞いた話を元にして書いたノンフィクション作品だそうです。
映画化に際し、時代設定が現代から1979年に、舞台が静岡から北九州に変更されています。時代設定をインターネットなどで欲しい情報が難なく手に入るという状況ではなかった30年前の1979年にしたことは、思春期の男の子たちの純粋な気持ちを表現するのに打って付けだと思いました。実際に羽住英一郎監督もそのことを意図していたようで、それに加え、現代の設定で始めると、モンスターペアレンツや学校側の問題とかまで取り上げずには話を進められなくなってしまうので、今回の目的に合わせてシンプルにするためという意図もあったそうです。舞台は、1979年当時の街並みの雰囲気を出すためにいろいろ探しているうちに、北九州にたどり着いたそうです。1970年代のヒット曲が挿入歌として多数使用されていて、雰囲気をより一層引き立てていました。
中学生たちがおっぱい見たさに頑張るだけの物語に終わらず、そんな約束をさせられてしまった新任教師・美香子が教師という仕事に悩みながら、過去の自分と向き合い、これからの自分の道を見つけていく成長物語がメインとなっていました。美香子が先生になるきっかけとなった恩師とのエピソードも感動的でした。
「おっぱいあっての僕らですから」と言って思春期の男の子丸出しだった部員たちも、最後には頑張ることの素晴らしさを身をもって知ったようです。最後までおっぱいに対する気持ちがぶれていなかったのも微笑ましかったです。
ベタなお話ではありますが、青春と感動を味わえる良い映画だと思いました。