ありふれた奇跡 (仲間由紀恵さん)

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仲間由紀恵さんは、毎週木曜夜10時フジテレビ系列にて放送されている連続ドラマ『ありふれた奇跡』に中城加奈 役で出演しています。
先週は第1話が放送されました。
●あらすじと感想
とある駅のホームの端に中年男(陣内孝則さん)が立っていた。たまたまその場に居合わせただけで、カップルとかではない女(仲間由紀恵さん)と男(加瀬亮さん)は、その中年男が列車に飛び込もうとしているのだと感じ、その男につかみかかり、とっさに殴り飛ばす。女は両親と祖母の4人で暮らす29歳のOL・中城加奈。男は父と祖父の男3人で暮らす31歳の左官工・田崎翔太だ。
加奈と翔太に取り押さえられた中年男・藤本誠は、警官・権藤(塩見三省さん)から事情を聴かれ、自殺するつもりは無かったと逆に加奈と翔太を非難する。
その後、駅の改札口で加奈と別れた翔太は、加奈のことが気になって後を追いかけるが、加奈の姿は見つからなかった。ところが、たまたま立ち寄ったコーヒーショップで加奈と再会する。ぎこちない会話の末、メールアドレスを交換。翌日からメールのやり取りが始まる。
そんな中、交番の権藤のもとへ誠が訪ねてきて、加奈と翔太の住所を知りたいと言う。理由を聴いた権藤は、非番の日に、加奈と翔太をレストランに呼んで、誠を引き合わせる。誠は自殺しようとしていたことを認め、2人を非難したことを謝罪する。4年前、火事で妻と子どもを亡くした誠は孤独感にさいなまれていたらしい。しかし、誠には1つ疑問があった。ホームの線路からむしろ離れて立っていた自分が、どうして死のうとしているとわかったのか。誠は、加奈と翔太に対し、2人とも死のうとした経験があるのではないかと問いかけるのだった…。
脚本家・山田太一さんが1997年以来12年ぶりに描く連続ドラマとして話題になっています。
現代社会に生きる孤独な人々が不器用に交流していく様子を山田太一さん独特のセリフ回しと世界観で描かれていました。
第1話の最後の「2人とも死のうとした経験があるのではないか」という誠の問いかけは、恐らく図星だったのでしょう。その帰り道に、加奈と誠が駅のホームに黙ってたたずむ場面が印象的でした。2人やその周りの人々がどのような心の傷を抱え、今後どのようになっていくのかが気になります。
ドラマのタイトル“ありふれた奇跡”には、「自分たちが普段生活している中には実は気付いていないだけで、小さな奇跡がいくつもある。その奇跡に気付くことで、希望が見出せるはず」という山田太一さんの思いが込められているそうです。