魔王 最終回

ohnosatoshi kobayashiryoko ikutatoma02
一昨日は、毎週金曜夜10時TBS系列にて放送されていた連続ドラマ『魔王』の第11話(最終回)が放送されました。
●あらすじと感想
成瀬領(大野智さん)の最終的な目的は、芹沢直人(生田斗真さん)に自分を殺させ、今度こそ直人に人を殺した裁きを受けさせるというものでした。そして、多分、これは領の計算外の出来事だと思われますが、宗田充(忍成修吾さん)殺しの容疑で取り調べ中の直人の兄・典良(劇団ひとりさん)が、宗田を毒殺させたタバコを使い自殺。さらに息子・典良を失った心労からか、直人の父・栄作(石坂浩二さん)は心臓発作を起こして亡くなってしまいました。皮肉にも領の時と同じような状況になってしまった直人。
一方、領は、中西弘道(三宅裕司さん)、咲田しおり(小林涼子さん)の説得に心を痛めながらも突き進みました。十分苦しんだとして、領は保釈金を払って、葛西均(田中圭さん)の保釈を認めてもらうなど優しさを見せますが、そのことに激昂した山野圭太(清水優さん)に腹をナイフで刺されてしまいました。山野は英雄のために復讐していると言ってましたが、単に自分をいじめていた人に復讐している感覚だったのでしょう。その後、保釈が認められた葛西を刺殺して、錯乱状態でナイフを振り回していた山野は、警官に射殺されました。
無断で拳銃を持ち出した直人は、11年前、真中英雄の事件が起きた因縁の場所に領を呼び出しました。領は山野に刺された傷口を隠し、痛みをこらえて現れました。直人は、自分のせいで始まった復讐だから自分の手で止めるしかないと、領に向かって拳銃を構えるもののひるんでしまって引き金が引けません。それを見た領は執拗に挑発し、そのことにより、直人は領の最終的な目的に気付き、拳銃を手から離してしまいます。ところが、領がその拳銃を拾い上げ、「このまま生きていては、僕は自分を許せない」と自分のこめかみに銃口を当てました。直人がそれを制止し、もみ合っているうちに直人の腹部に拳銃が誤射されました。これはまさに11年前に直人と英雄の間に起こった悲劇に似ています。「友雄さん、許してください。俺のことも、あなた自身も…」と言い残し直人は息絶えてしまいました。領もまた、「許してくれ。僕のこともあなたのことも…」と言って、英雄の遺品のハーモニカを直人の手に握らせ、目を閉じました。領からの手紙を読んで、不安を抱いてスクラップ置き場に駆けつけたしおりでしたが、時すでに遅し。領と直人は肩を寄せ合い、穏やかな表情で亡くなっていました。
時は過ぎ、直人の上司だった中西は、とある海辺の町でのんびりと暮らしていました。しおりはその中西を訪ね、家にお邪魔します。しおりは、仏壇に置いてあるハーモニカに気付きます。それは、直人が亡くなった時に領によって握らされたハーモニカなのでしょう。それに触れたしおりは、サイコメトリーで衝撃の真実を見たようです。それが何なのかは、「魔王DVD-BOX」内の特典映像で明らかになるとのことです。
栄作が11年前に事件をもみ消したのは、自己保身のためではなく、直人の将来を思ってのことだったというのが意外でした。「誰かの幸せの影には、必ず誰かの不幸がある。それがこの世の道理だ。息子たちの幸せを守る道だと信じていた」との栄作の言葉が印象的でした。内心では直人と典良2人の息子を大事に思っていた栄作でしたが、その愛し方を間違えていたようです。
領と直人2人とも亡くなってしまうという結末や中西のその後が終わりのシーンというのがある意味意外でした。最後に仲良さそうに飛んでいた二匹の蝶は、領と直人を表していたのでしょう。