●第11話(最終話)のネタバレありのあらすじと感想
喜多善男(小日向文世さん)が最後の場所と決めていたのは、みずほ(小西真奈美さん)と善男が好きだった絵「クリスティーナの世界」の中の風景とよく似た場所だった。それは、善男が通っていた中学校の裏で、以前、善男がみずほに今度一緒に行ってみないかと誘った時、行ってみたいとみずほが本当の気持ちを口にした、いわば、善男にとっては、唯一2人の心がつながった瞬間を意味する貴重な場所だ。
仕事先で宵町しのぶ(吉高由里子さん)は、善男がその「クリスティーナの世界」の画集を大切に持ち歩いていたことを思い出し、矢代平太(松田龍平さん)に知らせる。みずほもまた、カウンセラー・江端達夫(岩松了さん)のおかげもあってそのことを思い出す。
会社の乗っ取りを企み、鷲巣の殺害を指示していたのは、みずほの側近・森脇大輔(要潤さん)だった。みずほの携帯の通話記録を偽装し、罪を被せようとしたのだが、それを保険調査員・杉本マサル(生瀬勝久さん)が見破り、森脇は警察に捕まる。
保険金殺人未遂の容疑で逮捕されていた長谷川リカ(栗山千明さん)は、善男の証言により容疑が晴れて釈放。借金取り・丸山(眞島秀和さん)たち全員が逮捕されたことにより、リカは借金返済からも免れることになった。
善男の自殺は、平太が駆けつけ、すんでのところで食い止める。その際、平太は告白した。自分の父親が自殺したこと。そんな父親を自分が嫌いだったのは弱かったからではなく、生きててほしかったのに死んでしまったからなのだと、善男のおかげで気付き許せるようになったこと。そして、善男の作ったカレーが食べたいと懇願したのだ。善男はこの時、恐らく感じたのだろう。自分を必要としてくれる人がいて、もう一人ではないこと。弱くてかっこ悪い自分を許してもいいんだと。
森脇が警察に捕まり、みずほの容疑は晴れ釈放された。警察署を出てきたみずほの前に善男が現れる。しかし、2人はただ黙って見つめ合い、何かを示し合わせたかのようにお互い別々の道を歩き出す。
善男は、以前遺書を書くために買った万年筆と便箋を使って、母親に宛てて手紙を書く。その手紙には、自分が変わりないこと。近いうちに顔を出すこと。新しい友人が出来て、今度行く時に連れて行って、母親のカレーを御馳走したいと思っていることなどが綴られている。そして、今まで使っていたカバンの中身をリュックサックに入れ替えて、カバンをゴミ箱に捨てて颯爽と歩き出す。
「終わるはずだった俺の明日がまた始まった。数えるには多すぎるほどの明日が。悲しい明日もあるのかもしれない。だけど、笑える明日もきっとあるような、そんな気がするんだ」
善男の行く先には、“新しい友人”である平太が笑顔で手を振っている。善男もまた笑顔で平太の方へ歩み寄るのだった。
過去、喜多善男を殺そうとしていたみずほと、現在、喜多善男を殺そうとしていた平太が、今度は一緒になって必死に善男の命を助けようとするという状況と心の変化がとても興味深かったです。現実や自分の心と向き合えたのは、主人公・喜多善男だけではなく、善男にかかわった人たちもそうであったように感じます。人という“縁”に触れて、何かが変わったり理解できるようになることは、誰しも経験したことがあると思います。そんなことを改めて感じ、考えさせてくれるようなドラマでした。
小日向文世さんは、東京写真専門学校を卒業後、中村雅俊さんの付き人を務めつつ演劇の道を目指し、1977年にオンシアター自由劇場に入団。劇団解散後は、映画やテレビと活動の場を広げ、現在に至っています。
小日向文世さんの最近の主な出演テレビドラマとしては、『HERO』、『救命病棟24時(第2シリーズ)』、『さよなら、小津先生』、『光の帝国』、『木更津キャッツアイ』、『ビッグマネー~浮世の沙汰は株しだい~』、『天才柳沢教授の生活』、『まんてん』、『僕の生きる道』、『ひと夏のパパへ』、『僕と彼女と彼女の生きる道』、『新選組!』、『オレンジデイズ』、『WATER BOYS2』、『めだか』、『瑠璃の島』、『がんばっていきまっしょい』、『あいのうた』、『アテンションプリーズ』、『僕の歩く道』、『大河ドラマ 風林火山』、『牛に願いを Love&Farm』などがあります。そして、4月3日よる9時30分フジテレビ系列にて放送予定のスペシャルドラマ『アテンションプリーズSP』に出演します。
最近の主な出演映画としては、『愛を乞うひと』、『リング2』、『ラストシーン』、『ターン』、『非・バランス』、『みんなのいえ』、『仄暗い水の底から』、『火星のカノン』、『群青の夜の羽毛布』、『CASSHERN』、『69 sixty nine』、『スウィングガールズ』、『MASK DE 41』、『銀のエンゼル』、『いま、会いにゆきます』、『深紅』、『タッチ』、『いらっしゃいませ、患者さま。』、『せかいのおわり』、『阿修羅城の瞳』、『ALWAYS 三丁目の夕日』、『UDON』、『ミラクルバナナ』、『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』、『虹の女神』、『7月24日通りのクリスマス』、『それでもボクはやってない』、『そのときは彼によろしく』、『遠くの空に消えた』、『HERO』、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』などがあります。公開待機作としては、『あの空をおぼえてる』(4月26日公開予定)、『僕の彼女はサイボーグ』(5月31日公開予定)、『ザ・マジックアワー』(6月7日公開予定)、『20世紀少年』(2008年~公開予定)、『GOEMON』(2009年公開予定)などがあります。
主な出演舞台としては、『上海バンスキング』、『フィガロの結婚』、『月ノ光』、『VOYAGE』、『オケピ!』、『彦馬がゆく』、『ドライブイン・カリフォルニア』、『マダラ姫』、『ミザリー』、『12人の優しい日本人』などがあります。
PV出演作品として、山崎まさよしさんの『真夜中のBoon Boon』があります。この曲は今回のドラマ『あしたの、喜多善男~世界一不運な男の、奇跡の11日間~』の主題歌でした。
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あしたの、喜多善男 (松田龍平さん)